無邪気さに心奪われる

小さな穴熊の視点で語られる日々が、とても素直な言葉で描かれていて、読み進めるうちに自然と気持ちが寄り添っていきました。
食べ物を覚える場面や夜のお散歩の描写から、親に教わる時間の大切さが静かに伝わってくるように感じます。
やさしい語り口の中に、失うことや受け継がれるものがそっと織り込まれていて、読み終えたあとに胸の奥が少し温かく、そして切なくなる余韻の残るお話でした。