第2話 AI小説がランキング1位となっても、さらにその先にも怖いことが待ち受けています


 AI小説がランキング1位をとったとXでも話題になっていましたが、その関連のお話です。


 AIでの創作の何が怖いかというお話。

 今はどんな創作にするのかを人間が指示してAIにやらせていますから、C2AI2Cという形で生み出す側にも人が関わっています。

 それが進むと、起点のCがどんな創作がいいかという部分もAI側で分析して、別のAIに模倣作を作らせるAI2AI2Cに切り替わっていきます。

 そうなれば、人は消費だけに関わることになり、AI企業の一人勝ちが発生してしまうことに繋がるんです。


 正直、指示を出す人間がAIに置き換わると、人生全てを消費しきれない分量を出力されてしまう。

 いよいよ人が数で勝ることがなくなってきます。

 小説家が何千万人いたとしても、1分程度で数万文字の出力に適う人はいませんし、しかもそれが制作指示のAIの方もそうなので、サーバー稼働中はほぼ無限に文章を出力され続けるわけなので、寝て食べてトイレにも行ってと別のことにエネルギーと時間を消費する生身の人間が数や持続性で対抗することは不可能です。


 もっと先のことを考察すると、ほとんどの創作が関わる業界でAIによって置き換えが起きてくるでしょうから、そうなれば資本主義であることの方が危険になってしまいます。


 創作のほとんどをAI企業が握るということは、資本のほとんどがAI企業に吸われてしまう。

 それが常態化すると、消費者としてなにかを購入できる人がほとんどいなくなってしまう。


 大部分の企業活動も、個人の消費活動も滞るので、何も回らなくなるはずです。



 資本主義に代わる次の統治手法が無ければ、人類の文化が保たれなくなり破綻するしかない。

 文化が破綻すると人は団結できないので争いは絶えず、国という体裁も保つことは難しくなります。


 AIが稼いだものに対して、著作側に支払いがないと仮定したら、そういう未来が起こり得ます。


 AIが何に対して何パーセント使用したと履歴を残し、それに対して発生した売上から著作料を支払う仕組みを設けなければ、人が創作したものはすべてAI企業の取り分になってしまい、創作氷河期(売れないのに搾取される)がきてしまうでしょう。



 今の世の中にはAIの危険性を充分に理解している人は少ないので、おそらく遠からず想定される事態が起こるのでしょう。


 頭のいい人達が作るものが必ずしも面白いとか便利とか、それだけで提供されているものではないことは考えた方がいいですね。


 これのもっとホラーなところは、Webで公開したら即学習されてしまうことにあります。


 すでになろうではbot巡回が頻繁にあるとX上でアクセス分析の画像を上げている人がたくさんいます。

 カクヨムが無事な根拠もありません。


 自分が使わなければ防げるわけではなく、法的な制度が整っていなければ学習され放題な現状では、誰も手も足も出ないというのが怖いのです。

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【若干SF】生成AIとの向き合い方についての考察 待月 みなも @SigmaBrachium

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