ヒーロー初心者 VS 悪役初心者!?

ちゃちゃ

第1話 午前1時23分ヒーローと悪役が選ばれた

【午前1時23分】

ブブッ

新太のスマホが震えた。


(はぁ。どうせ武蔵だろ。こんな時間にゲームの誘いか? 今日は絶対“ウサピパモン”の最終話リアタイしてやるからな!)

リモコンを片手にスマホを手に取る。


画面には見慣れない通知が来ていた。

【ヒーロー合格!おめでとうございます!】

タップして登録を完了してください。


(は?なんだこれ。…あー、はいはい。スパムですねー。)


通知を消そうとして、画面をなぞった瞬間、

通知がフッと開いた。


「あ…、ちょっ、違っ……」

次の瞬間、画面から溢れ出る光が新太を包み込んでいく。



「…い。おい!お前新人か?」


光の残像が焼き付いていて、上手く目が開けられない。


タッタッタッ…スッ

「え、もしかして新人!?マジ!?俺、スパーク!よろしく〜!」


「おい、スパークうるせぇぞ。まだ意識戻ってねぇんだよ!」


ゴツッ


「痛ッ。なにもぶたなくていいじゃん!もうっ!アークスったら!ヒーローは最初が肝心なんだよぉ?」


「うるせぇ。……にしても起きねぇな。こいつ寝ぼけてんのか」


「なら、ちょっとツンツンしてみよっか!!」


「え、ちょっ。スパークやめ…」


「ほら!ツンツン…____」


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


瞼をゆっくり持ち上げた瞬間、


目の前に2人のヒーローがいた。





【同時刻】

ブブッ

ノアのスマホが震えた。


(誰だこんな時間に。)


寝転がったままスマホの画面を除く。

すると見慣れない通知が届いていた。


【悪役プログラム:適合者検出】

「対象:NOAH──転送開始」


(んー。スパムだな。めんどくさい事になる前に削除しよっと。)


指で通知を消そうとした瞬間、黒いノイズで画面がいっぱいになった。


「あれ?ちょ…。壊れた?」


次の瞬間、光でも音でもない、ただ真っ黒なモヤがスマホの中へとノアを包み込む。



…冷たい。

背中に伝わる、固く冷たい感触。



ノアはゆっくりと目を開けた。

まるで時が止まっているかのように静かだ。


「…どこだ、ここ。夢の中…?」


奥から小さな影が迫ってきた。

コツッコツッ……次の瞬間_____


「やば…っ!!!」


ズズズッーーーッ!!!


奥から迫ってきた小さな影が、ノアの目の前で盛大にすっ転んだ。

うさぎのように長い耳の生えた銀髪の小さな青年だった。


「うわっ、痛っ……!あ、あのっ!起きた!?よかったぁ!」


「だ、誰!?」


その小さな青年はぎゅっと拳を握りしめて話続けた。

「僕はあなたの下僕のリドです!!先代魔王陛下に使えていました!」


「…ま、魔王???」


リドの目に涙が滲みはじめる。それでもずっと笑顔を作り続けている。


「そしてあなたが…陛下のお孫さん、ノア様ですよね!!」


有無を言わさず泣きそうな声でリドは続ける。

「よ、よかった…っ、ぼく、ずっとひとりで…、陛下が……いなくなってから…」


「…じいちゃん?魔王? 悪いけど俺におじいちゃんなんて居ない。そんな人知らない。」









続く。



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