第8話 就活全落ち無職の私、2年後同窓会で全員に勝ってた
## 1. 地獄
「この度は、誠に残念ながら…」
50社目の不採用通知。
私の名前は、伊藤まい、24歳。
大学を卒業して、1年。
就活は、全滅だった。
50社に応募して、50社全部から落とされた。
もう、疲れた。
部屋で、スマホを見る。
タイムラインには、同級生たちのキラキラした投稿が並ぶ。
「入社1年目、楽しく過ごしてます!」
「ボーナス出ました! 旅行行きます!」
「昇進しました! これからも頑張ります!」
画面を閉じる。
見たくなかった。
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## 2. 絶望
その夜、泣いた。
人生で、何度目かの涙。
もう、数えられない。
同級生たちは、みんな就職して働いている。
私だけ、無職。
なんで、私だけ?
何がダメだったの?
答えは、出なかった。
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## 3. 偶然
次の日、やることがなかった。
就活も、もう嫌だ。
スマホを開いて、適当にアプリを見る。
暇つぶしに、ブログを書いてみることにした。
タイトルは、「50社落ちた私の日常」。
内容は、適当。
「今日も何もしなかった。明日も、多分何もしない」
そんな感じ。
誰も見ないだろうな、と思った。
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## 4. バズ
1週間後、ブログのアクセス数が急増していた。
10万PV。
コメント欄には、こんな声が並ぶ。
「共感しかない」
「私も、同じ状況」
「この人、正直すぎて好き」
なんで?
ただの愚痴なのに。
でも、アクセスは増え続けた。
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## 5. 収益化
1ヶ月後、ブログに広告をつけてみた。
最初は、月1万円くらい。
でも、2ヶ月後には、月5万円。
3ヶ月後には、月10万円。
半年後には、月30万円。
気づけば、ブログだけで生きていけるようになっていた。
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## 6. 副業
調子に乗って、他のこともやってみた。
YouTube。
TikTok。
note。
全部、適当に始めた。
でも、全部バズった。
なぜか、分からない。
ただ、運が良かっただけ。
気づけば、月収100万円を超えていた。
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## 7. 1年後
就活を諦めてから、1年が経った。
私は、フリーランスのコンテンツクリエイター。
月収は、安定して100万円以上。
貯金も、300万円を超えた。
同級生たちは、まだ会社で働いている。
初任給は、手取り18万円くらいだろう。
私の方が、稼いでいる。
不思議な気分だ。
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## 8. SNSの投稿
ある日、Xで同級生の投稿を見た。
「仕事、マジでしんどい。辞めたい」
「残業多すぎて、死にそう」
「給料安いのに、責任だけ重い」
みんな、疲れている。
キラキラした投稿は、もう見なくなった。
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## 9. 同窓会の案内
ある日、LINEグループに同窓会の案内が来た。
「久しぶりに集まりませんか? 来月、○○で開催します!」
行こうか、迷った。
でも、好奇心が勝った。
参加すると返信した。
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## 10. 同窓会
当日、会場に行くと、懐かしい顔が並んでいた。
「まい、久しぶり!」
「久しぶり!」
みんな、スーツ姿。
疲れた顔をしている。
「まいは、今何してるの?」
「フリーランスで、コンテンツ作ってる」
「え、すごい! どこの会社?」
「いや、個人で」
「マジで? 稼いでるの?」
「まあ、そこそこ」
「どれくらい?」
「月100万くらい」
一瞬、静まり返った。
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## 11. 反応
「マジで?」
「嘘でしょ?」
「月100万?」
みんなが、驚いた顔をした。
「本当だよ。ブログとか、YouTubeとか」
「すごすぎる…」
一人が言った。
「私、手取り18万だよ。しかも残業多いし」
別の一人が言った。
「俺も、手取り20万。ボーナス少ないし」
みんな、疲れていた。
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## 12. 逆転
会話が続く。
「まい、就活どうだったの?」
「全滅だった。50社落ちた」
「え、マジで?」
「うん。でも、それで良かったのかも」
「なんで?」
「就職してたら、今みたいに稼げなかったから」
一人が、小さく笑った。
「人生、分かんないね」
みんなが、頷いた。
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## 13. 帰り道
同窓会が終わって、帰り道。
スマホを開く。
ブログのアクセス数が、また増えていた。
収益も、先月を超えている。
ふと、思った。
就活、全部落ちて良かった。
あのまま就職していたら、今頃どうなっていたか。
同級生たちのように、疲れ切っていたかもしれない。
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## 14. 2年後
就活を諦めてから、2年が経った。
私の月収は、150万円を超えていた。
年収1,800万円。
新卒の平均年収の、6倍。
同級生たちは、まだ手取り20万円くらいだろう。
私の方が、圧倒的に稼いでいる。
でも、それを自慢する気はない。
ただ、運が良かっただけだから。
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## 15. 2回目の同窓会
また、同窓会の案内が来た。
今度も、参加することにした。
会場に行くと、また懐かしい顔が並んでいた。
でも、前回よりも疲れている。
「まい、久しぶり!」
「久しぶり!」
「今、どう?」
「相変わらず、フリーランスしてる」
「稼いでる?」
「まあ、月150万くらい」
また、静まり返った。
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## 16. 全員の羨望
「150万?」
「去年より増えてるじゃん」
「すごすぎる…」
みんなの目が、羨ましそうだった。
一人が言った。
「俺、転職考えてる。今の会社、ブラックすぎて」
別の一人が言った。
「私も、辞めたい。でも、次がないから」
みんな、限界に近づいている。
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## 17. アドバイス
一人が、聞いてきた。
「まい、どうやって稼いでるの?」
「ブログとか、YouTubeとか。あと、noteとか」
「簡単にできる?」
「うーん、運次第かな。私も、最初は全然だったし」
「でも、続けたら稼げるようになった?」
「まあ、そうだね」
みんなが、メモを取り始めた。
真剣な顔をしている。
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## 18. 余韻
同窓会が終わって、家に帰った。
ベッドに横になって、天井を見る。
「就活、全部落ちて良かった」
心から、そう思った。
あのまま就職していたら、今頃同級生たちと同じように、疲れ切っていただろう。
手取り20万円で、残業地獄。
でも、今は違う。
月収150万円。
自由な時間。
好きな仕事。
全部、就活失敗のおかげ。
「人生、何が幸運か分からない」
小さく呟いた。
50社に落とされたことが、今では最高の幸運に思える。
スマホを開いて、ブログを更新する。
タイトルは、「就活全落ちして2年、今が一番幸せ」。
投稿して、スマホを置く。
明日も、好きなことをして生きる。
それだけでいい。
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## 19. 同級生からのDM
次の日、同窓会で会った同級生からDMが届いた。
「まい、昨日はありがとう。相談したいことがあるんだけど、今度時間ある?」
「いいよ」
返信した。
数日後、カフェで会った。
彼女は、疲れた顔をしていた。
「会社、辞めたい」
「そうなんだ」
「でも、次がない。まいみたいに、フリーランスで稼げる自信もない」
「最初は、誰でもそうだよ」
「でも…」
彼女は、俯いた。
私は、何も言えなかった。
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## 20. 別の道
それから1ヶ月後、彼女から連絡が来た。
「会社、辞めた」
「え、本当に?」
「うん。まいの話を聞いて、勇気が出た」
「すごいね」
「ブログ、始めてみた。まだ全然だけど」
「頑張って」
「ありがとう」
彼女は、新しい道を歩み始めた。
うまくいくかは、分からない。
でも、少なくとも、ブラック企業から逃げられた。
それだけでも、良かったと思う。
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## 21. 1年後
また、同窓会があった。
3回目。
今度は、参加する人が減っていた。
会場に行くと、半分くらいしかいなかった。
「みんな、忙しいのかな」
誰かが言った。
「仕事で疲れてるんだろ」
別の誰かが言った。
私は、何も言わなかった。
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## 22. 変化
同窓会で、前回会った彼女がいた。
「まい、久しぶり!」
「久しぶり! ブログ、どう?」
「めっちゃ順調! 月10万稼げるようになった!」
「すごい!」
彼女の顔は、明るかった。
前回の疲れた顔とは、全然違う。
「まいのおかげだよ。本当にありがとう」
「いえいえ」
嬉しかった。
誰かの役に立てた。
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## 23. みんなの変化
他の同級生たちも、少しずつ変わっていた。
転職した人。
副業を始めた人。
フリーランスになった人。
みんな、それぞれの道を歩んでいる。
でも、前よりも明るい顔をしている。
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## 24. 私の今
私は、今も変わらずフリーランス。
月収は、200万円を超えていた。
年収2,400万円。
同級生たちの、10倍以上。
でも、それを自慢する気はない。
ただ、運が良かっただけ。
それだけだ。
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## 25. 最後の余韻
夜、家でスマホを見る。
ブログのアクセス数は、累計1,000万PVを超えていた。
YouTubeのチャンネル登録者は、50万人。
noteのフォロワーは、10万人。
全部、就活失敗から始まった。
ベッドに横になって、天井を見る。
「50社に落とされて、本当に良かった」
心から、そう思った。
あのまま就職していたら、今の私はいない。
ブラック企業で、疲れ切っていただろう。
手取り20万円で、残業地獄。
でも、今は違う。
月収200万円。
自由な時間。
好きな仕事。
好きな生活。
全部、就活失敗のおかげ。
「人生、何が幸運になるか、本当に分からない」
小さく呟いて、目を閉じた。
明日も、好きなことをして生きる。
それだけでいい。
スマホを置いて、眠りについた。
幸せな気分で。
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## 26. エピローグ
数年後。
私のブログは、書籍化された。
タイトルは、「50社落ちた私が、年収2,000万になった話」。
本屋に並んだ日、母が泣いた。
「さやか、すごいね」
「ありがとう」
父も、笑っていた。
「就活、失敗して良かったな」
「うん」
心から、そう思った。
同窓会で会った同級生たちも、それぞれの道で頑張っている。
会社を辞めた人。
副業で成功した人。
転職した人。
みんな、前よりも幸せそうだった。
そして、私も。
就活に失敗したことが、人生で一番の幸運だった。
今でも、そう思う。
「人生、何が起きるか分からない」
でも、それでいい。
失敗が、成功になることもある。
絶望が、希望になることもある。
全部、偶然。
でも、その偶然が、人生を変える。
私の人生は、50社の不採用通知から始まった。
そして、今。
私は、幸せだ。
それだけで、十分。
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就活全落ちの私が、偶然で年収1000万になった8つの話 ソコニ @mi33x
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