サバイブ
白川津 中々
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二日程意識を飛ばしていたのは風邪を拗らせぶっ倒れていたからである。
一人暮らし、ちょっとした体調不良が命取り。今回は辛うじて生きながらえたが、まぁ酷い有様。布団の中は汗と大小便の惨事である。ひとまず掛かってきている上司からの鬼電へ対応。意識不明でしたと伝えたところ半信半疑どころか無信全疑であったが「寝てる間に垂れ流しだった糞尿をシーツごと会社に送ればいいですか?」と脅したら納得してくれた。カスが。最初から信じておけ。
しかしこの状況、非常にまずい。頭痛吐き気倦怠感関節の痛み。熱は普通に三十八度台。放っておいたら死ぬ。医者にかからねばなるまいが、汚物に塗れたままというわけにもいかないし、体力もない。シャワーを浴びて食事を摂る必要がある。
「きついが……やらねば……」
ワンルームで、意識を繋ぐように言い聞かせて調理開始。パック飯と水を鍋を入れ煮つつ、シャワーを終わらせる。この時点で既に満身創痍。脈打つだけで頭がガンガン。食欲などあるはずもないが、食べなければ恐らく死ぬだろうから、食べねばならない。かかりっぱなしだった火を止め、いい塩梅に糊化した粥を茶碗に移し卓へ行き、汚れたシーツを前にして口に運ぶ。生命維持に必要な動作だが、それすら煩わしく、苦痛だった。また、この後、病院へ行き、帰ってきたら薬を飲んで、片付けをしなければならないのかと思うと、余計に食が進まず、溜息ばかりが漏れるのだ。
「きつい……」
ドロドロの粥を前に、己の弱さと矮小さを知る。今後体調管理には気を遣おうと決意して、ひとまずお椀を空にした。
サバイブ 白川津 中々 @taka1212384
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