第54話

市街地戦


白兵戦である。だが伯爵は攻める側であり、なんの躊躇いもなく魔法をぼかすか民間に打ち込む。


ある程度民を隣接する町や村に誘導するよう逃しているが、家財道具など私財を持ち運びだそうと今更無理なことを考えるあたふたしてた人間が少し残っていたのか酷い死に方をしている。


領主邸 作戦会議室にて


クライン男爵 : …もう我慢ならん。俺が出る。そして伯爵を殺す。俺の土地を、人を、俺のプライドをここまでズタズタに荒らし回ったんだ。覚悟は出来てるはずだ。


クライン男爵は元国軍の成り上がり元将校貴族なので血の気が多く。今は常に当時着ていた鎧を身につけて対応している最中だった。


マチチ : クライン様!済みません!それだけはダメです!この戦争何故だか凄く早過ぎます!いや、電撃作戦や速攻で話が終わるならそれまでなのですが…違くて何か別の狙いがあるのか、伯爵が何かされてる可能性があります。


クライン男爵 : 別の狙いとはなんだ?


マチチ : えーと…人探し?


クライン男爵 : 人探し…


エフト : あ、適当なこと言うなお前は!お前の感当たるんだぞ。当たったらどうする!その人間誰かも分からんし今更差し出せばはい終わりで済む段階ではないんだぜ!


マチチ : た、例えばですよ〜


すると書類の山を持った女性秘書と一緒にパサ・マランツが寝癖いっぱいで入室してきた


パサ : ガルディが大通りで敵武将とやりあって勝てたけどそれっきり寝てから起きないのよねぇ。ったく。昔なら連戦できたろうに。


エフト : ガルディも歳だし無理ないぞ!…お前も無理するなよ。


パサママは流石に旦那の心配をしているのか疲れが出ている。



パサ : エフト、あんたも行きなさいよ。敵武将はまだ市街地に数人確認されてるわ。今のうちに各個撃破しとかないとあとがやばいと思うだけど…


妖精ちゃんのバフ込みのリカちゃんですら初見殺し一歩手前まできていたのだ。流石伯爵なのか、兵数だけでなく手駒も揃ってると見える。ガルディも差し違えられて実は重症である。数年娘と仕事をして戦闘の勘もある程度A級の時に戻り全盛期とは言わなくてもジリ貧だったのだ。相手の本気度が伺える。


エフト : 勘弁してくれ。俺も自分の隊を動かしながらこの町の人間の受け入れ先を探すので手一杯なんだ。落ち着いたらかここがもう攻められない限りは少し待ってくれ。


クライン男爵 : だがマチチの言う通りだ。人探し…もしリカ・マランツのことを知り、腹いせに戦争を仕掛ける。そして力尽くで彼女を確保しよう。でももう採算がつかないぞここまでしてしまうとな。自分の知名度を知っているはずだ。社交界にもよく出ている。私に勝ち、なんらかの言の葉を駆使して落とし所を作りこの領地を手に入れたとする。だがこの規模の戦争。国は調べるはずだ。すぐに嘘がバレる。そして自分の家名を汚し衰退…没落するのがオチだ。それに自分の兵隊を死なせ過ぎている。奴は自分の兵隊も自慢の一つにしていた。武将も然りだ。この損害を補填することは不可能だ。盗賊紛いのこともしている。領地を手に入れても管理運営する人員は自分の現領地から割ったとしても…やはり割に合わない。切り払うがそれ以降は?どうするというのだ。奴は本当にリカ・マランツが欲しいのか!絶対別の何かが関わっているはずだ。


部屋を忙しなくクルクル回る男爵。ぶつぶつぶつ1人だけの世界だ。男爵にもう少し時間があれば知略に長けている人材でも居れば分かったかもしれないのだが、人を見る目がありすぎるのか逆に物理的な力を持ってる奴ばかり集めてしまったのが今回の先手を打たせてしまった原因の1つでもあろう。


玄関前門番兵 : て、敵だあー!

門番兵 : 敵襲!


マチチ : 先輩…


エフト : マチチ。お前は逃げてもいい


マチチ : 先輩!


エフト : …なら俺から離れるなよ。


エフトは愛用の槍、弓、短剣を持ち走る。


パサ : ガルディ!


パサもガルディの元へ向かう。


クライン男爵 : …どこで間違えた…だが黙って死んでやるほど俺は優しくないぞ?


男爵は自前の剣に事前にバフを乗せる。周辺に戦闘指示を出し始めた。




時刻は夕方から火が落ちて夜に差し掛かるところまで時間がかかってしまった。




リカ : くそ!なんでこんな!


死ねぇと襲ってくる魔術士や剣士


魔法を避けることで後ろの建物…そして友軍ごと人間が吹き飛ぶ。

スキルを乗せた攻撃で小さなリカちゃんを殺そうと剣術を使う剣士。リカちゃんがそれを避けると流れるように脇腹から一気に肉を断ち切る。そして魔法使いにはそのまま拾った槍を投げつけて頭を吹っ飛ばす。


リカ : やっぱりおかしいこんなの。


街道を走る走る。たまに全体的にもスペックが絶対リカちゃんより強いやつが居るがダークソードというインフレ魔法で相手はほぼ初見殺しのようだ。…いやでもおかしい。

走り抜けるたびに敵の兵隊を斬り殺して死体の道を作っていく。


伯爵の兵は確かに意思があるようだが…違和感を感じていた。こんな戦争大義はない。だが真面目そうな兵も気にせず戦闘している。命令されたからと言われればそれで終わりだが何かおかしい。


リカ : ああ!そんなぁ!


男爵邸は一応簡易的な籠城ができるよう城っぽくなってる。そこは煙がいっぱい上がっていた。まああんな的みたいな場所魔法を打ってくれと言っているものだ。


?番隊の何か : へへ!ここから先は俺を殺してから行きな!


リカ : また!?


それに強いのは分かるが戦闘の、しかも戦場での殺し合いなのに一切の駆け引きが無い気もするのだ。力任せで持ってるスキルを全力で披露するだけ。状態異常で言うとバーサーカーか混乱か。これが戦場の先輩たちなのかと最初は自分が今強いだけと思考停止してたが数回の戦闘と今の不自然な妨害で確信した。


誰かに操られているか誑かされている?


リカ : この規模を…?


ライトニングを放つと当たり前のように避けすかさずスキルを使って殺そうとしてくる。


?番隊の何か : 死ねぇ!「ザギリツ」!


「ザギリツ : この世界の百両属という百の掟を持った特殊な人族の部族。その中で戦闘に特化した物が使うと言われてる剣技だ。初歩的らしいが攻撃対象にだけ何故かブレるように見えるらしく下手に受け手に入ると死ぬ」


リカ : 大ぶり過ぎるっての!!!


すかさず妖精パワーの速度を生かして隙だらけの首を掻き切る。


ドサリと倒れる多分強かった兵隊。


ワーワー


まだ戦闘が続いている。考えても仕方ない。


リカ : パパ…ママ…



すぐに男爵の元に向かう


門入り口付近で…マチチが…死んでる…その横には死んでるのか…マチチを庇うようにエフトおじさんが数人敵兵を突き刺して立ったまま敵の死体に体重を預けてる


リカ :…


泣きそうなのを我慢する。もう少し早く動いてればなんて思わない…


中に入るとまだ戦闘音が聞こえるが火が出てるせいで多分だが殆ど残っていないだろう。


あちこち火が出ている。やっといつもの男爵の部屋前に着いた。


そこで見たものは


リカ : ルーリーーー!


ルーリちゃんが男爵の腹を背中に生えてる悪魔っぽい羽で突き刺してる所だった。

だがその後ろには知らない男とそして…


リカ : か…ぶ…?


知らない男とそして

首と体がぎこちなくくっつけられたカブがそこに立っていた。

だが見て分かる2人とも…


リカ : 死体…アンデットなの…?こんな…酷い!



ルーリ : アハ♡ やっときた。とろいんだね♡ 遅いんだね♡


クライン男爵 : り、か…まらんっ…


ルーリ : まだ生きてんの!?本当にあんた人間???笑


クライン男爵もただで殺されてないのかよく観察すればこの広めの執務室は空の夜明かりと屋敷から上がってる火の明かりが見えこの部屋の人物たちを照らしている。

机や棚も粉々で壁も切り傷穴だらけ。

そしてクライン男爵も一部鎧が肉ごと抉られてるうえにそこら中傷だらけだった。そして刺し抜かれて今宙吊状態。確かに生きてるのが不思議だ。


リカ : ルーリー!何でこんなことするんだ!


クライン男爵 : ぎをづけろ!!こいつは!わだじもじらない洗脳系のすき…


そして首が落ちた。


ルーリ : うるっさ、まあいっか。あんたもよく見たらカッコいいし私のコレクションにしちゃお♡


リカちゃんは耳を疑った。今確かに洗脳と聞こえた。

カゴの村に居たルーリちゃんは少なくとも生活魔法ぐらいが関の山の普通の女の子だった。リカちゃんみたいなことでもおきないと

え?


リカ : その力…まさか変な木の実でも食べた?


武器を構える力が強くなるリカちゃん。

死体の頭と身体を両手に持っていたルーリちゃんはその言葉で急激な反応をすると死体を捨てリカちゃんを見据える。


ルーリ : まさか…あんたもだったの!?やっぱり!!何もできなかったお前が!急にそんな強くなるわけないもんね!!モヤモヤが少しなくなったかも!アハ♡



リカ : …力は分かった。でも何でこんなことするの!!おかしいよ!!…それに死んだカブに…意味わかんない!何をしたの!



ルーリ : はあ?あんたには関係ないでしょお?


やれやれである。といった感じだ。



リカ : 関係ないわけないだろうが!!!


一瞬で接近してカゴの村の友達だったとしても躊躇はない。首目掛けて切りつけようとするが知らない男アンデットの肉盾で塞がれる。


ルーリ : 伯爵様ありがとぉ〜


伯爵アンデット : ぐごわぁ


リカ : な、なんだこいつ!


ルーリ : キレ過ぎ〜こわ〜


リカ : ぐぅごぉ


リカがルーリの蹴りをモロにくらい3枚ほど城内の壁を突き破る


ルーリ : あんたなんか死んじゃえよ「」





「強欲(グリード)」




リカ : は!?


物凄い殺気とそして恐怖が襲いかかる。身体中から感じたことない鳥肌が立つ。状態を起き上がらせると正面から光の球体がそこそこのスピードでリカちゃん目掛けて飛んできた。


リカ : ま、まずい。これ


血だらけの体を動かして避けようとするもゆっくり誘導してきた。


リカちゃんも恐怖と知見にないものになす術なくこけてしまった。


ルーリ : あんたなんか友達になんて思ったことねーよ!


リカ : あ


ルーリ : ばいばーい


ルーリちゃん渾身のゲス顔である。






🧚‍♀️ : ピクピク!

えいぴく!


ぱしゅんときえる魔法



ルーリ : ………は???


リカ : はぁ。はぁ。はあ!


今絶対死んだと思って息できてなかった。初めての体験だった。本当に死ぬ寸前になるとカゴの村の楽しかったことが次々思い出していって…確かにそこにはルーリはちょこちょこいたが…距離があったかもと思い出した。


🧚‍♀️ : ピクピクゥ〜ピクピク

今のは死んでたピクよぉ〜気をつけて


リカ : あ、ありがとう。妖精さん。はぁはぁはぁ


鳥肌は収まっていくが嫌な汗が溢れ出て止まらない。何だ今の魔法は。



ルーリ : あんた…今何した?


急に先程までの余裕モードから真顔になり問い詰め始めてきた。


リカ : は?何って?はぁはぁ…妖精さんが消してくれたのよ!


すると火事の屋敷が急に火が消えて屋敷中ミシミシと軋み始めた。


ルーリ : わだじを!!!


リカ : !?


ルーリ : ばがにずるなぁあああ


リカちゃんは何も防御できず風圧で城外へ飛ばされ次々と城は崩壊していく。


カブアンデットもひょろひょろ飛ばされていた。


地面に激突する寸前にまた妖精さんがピクピク助けてくれた。


🧚‍♀️ : ピクピク!ピクピク!

あいつも食べたピクね!お前ら食べ過ぎピク!


ちょっと怒っている。


リカ : はぁはぁはぁ。


敷地内は荒れに荒れ建造物だった物はあっちこっち死体と一緒に飛んでいく。

リカちゃんの前に着地するルーリちゃん。

理由は分からないがなんか数歳ほど歳をとったようなお姉さんになっていた。


ルーリ : もう殺すね?


すると目に見えない速さで間合いを詰めていつのまに出したか知らない闇に包まれた剣で切り掛かって来ていた。

リカちゃんもバフが残っているのか咄嗟に避けることに集中する。


リカ : ぎみぃぃぃ!はぁ!


力んで避けて即座に剣で切り上げようとするが


ルーリ : お前も早いんだなぁ!お前の力も私のものになるべきだろう???


ルーリが何を言ってるか分からない。


だが無理だ。何でこんなに強いのか、何でこんなに差があるのか分からない。だが言えるのは3回か4回攻撃されて一度しか反撃できていないということだ。そしてそれは決定打にならずこちらはスタミナが減ってるのが分かる。


リカ : はぁはぁはぁはぁはぁ


ルーリ : 弱い!弱いんだよぉ!


剣だけでなく蹴りも出てくれば流石に避けれず吹っ飛んだ。


リカ : ははは。…さっきと同じだ…



身体中が痛い。



何で私が…パパ、ママ、エフト、マチチ、クライン男爵、部隊の皆んな、…村の皆んな…ガイクおじさん



…カブ



一生懸命勉強したそして鍛えてもらった。何でルーリーはこんなに強いんだ。同じ時間を過ごしてる中で特別鍛えてる所なんて一切見たことなかった。分からない。私と同じように実を食べたけど違うものなのか?もうここで…終わりなのかな…



また妖精さんが助けてくれないかな…


ゆっくり近づいてくるルーリちゃん


ルーリ : お前…やっぱりウザイ。死ねよ。「グリー…」


??? : だらぁ!!!

??? : はぁ!!


リカ : え、、?


ルーリ : ちっ!んだよ、まだお前らが居たのかよ


リカ : パパ、ママ、


ガルディ : ルーリーちゃんお願いだからもうやめてくれ


パサ : リカ!逃げなさい!!


ルーリ : はん!お前らじゃ私に勝てねぇよ!


リカ : ダメ!ルーリーやめて!!



ルーリ : おら!


ガルディ : うっ


パサ : おご


2人仲良く吹き飛ばされる。


リカちゃんは声にならない声が出る。


それでも2人は立ち上がる


リカ : だめぇ!逃げてぇ!お願いたって!!私の足たてぇ!!!


ガルディ : 子供置いて逃げる大人なんていねぇよ。


パサ : 本当よね。


ルーリ : お前ら家族揃ってウザイな。


リカちゃんは吹き飛ばされて実はもう身体中骨が折れたり失血したりと頭で動こうとしても体が言うことを聞かない状態になっていた。

もう、これしかない


リカ : 妖精さん…


🧚‍♀️ : …


リカ : 何でも、何でもします。だからどうか力を貸してください。


🧚‍♀️ : ピクゥ…


この星の妖精さんたち実は地上の生物に過剰介入しないのが鉄則である。碌なことがないと数百万年前の神の時代で体験しているからだ。当事者でもある妖精さん。たまたま力の源を人間が食べて関係を持ってしまっただけ。何かに使えるかもと思っていたがリカちゃんはまだ期待値に達してなく、なんなら強さだけならルーリちゃんの方が力になるのではと思ってしまっている。


🧚‍♀️ : …ピク!


妖精さんそれでも短い間とはいえ付き合ったこの人間が悲しむのも忍びないと力を貸すことにするのだった。

妖精さんたちは身内には優しいが本当に知らない奴には興味はないのである。自分たちが見える段階(これが決めて)に居ない奴は尚更だ。だからリカちゃん助けたいけどリカちゃんの家族には興味ないのである。




ガルディ : ここまで…か…パサ愛してるぞ


パサ : 馬鹿言ってんじゃないよ!娘がまだ動けないんだよ!動けるの確認してから死にな!


ガルディ : ちょ!分かったから!怒らないでくれ!


パサ : …大丈夫よ。死ぬ時は1人で行かせない。一緒。ね?もう少し頑張りましょ?


優しい時のママに戻った。2人とも血だらけである。


ガルディ : …もう少し頑張るか。


ルーリ : お前らうぜーんだよ!早く死んじゃえよ!



🧚‍♀️ : ピクピク〜(いくよ〜)「ダブル(妖精)」「プニル(妖精)」「プッシュ」「イルミナースフェアリーの尖兵」


「イルミナースフェアリーの尖兵 : 数百万年前の神の時代。イルミナースの地上では神やら魔物やら星の外からの侵略者やらがまだ暴れていた時代。妖精達が怒って妖精達と共に戦うための兵を作る時に使った魔法。妖精達に認められていると対象者の全てのステータスが上がる。その代わり妖精を裏切ると星の養分になる。


イルミナース :

当時は本当どうかしてるよ。所々禿げちゃうしさ。彼女達は本当に当時頑張ってもらったよ。ありがとう妖精たち。」


リカ : わ、わ、わ!


自分の体が凄いことになってるのが分かる。

でも体が…


🧚‍♀️ : ピクゥ〜


すると妖精さんが空中から急に葉っぱを出して来た。

すると葉っぱの先っぽからチョロっと水滴が出てくるそれをリカちゃんが機能不全を起こしてる所に垂らす。すると、


リカ : う、うそ。動ける。動けるよ!


🧚‍♀️ : ピクピク〜ピクピク?

これでなんとかなるか〜約束は守ってね?


妖精さんもここまでする気がなかったのかこんなの今回だけなんだからね!って顔だ。


リカ : ありがとう!何するか知らないけど絶対手伝うね!


🧚‍♀️ : ピク〜

ほら行ってこいピク〜


リカ : わかった!行ってくる!


物凄い速さでルーリの所に向かう。「スピード」の時とは桁が違う速さを感じる。


ルーリ : え?ガフ…


完全に眼中になかったのか虫の息のリカちゃんのパワーアップが予想外でモロに吹き飛ばされて市街地の民家を吹き飛ばしながら飛んでいくルーリちゃん


追うように白い閃光が走る


それにすぐ対抗する黒い閃光


ハイスピードバトルが始まって一般人はもう蚊帳の外である。


ガルディ : り、リカなのか!?


かすかにだが邪魔になるから逃げてと聞こえた。


パサ : ごほ、ゴホ…行きましょう。流石に私たちじゃ足手纏いになるわ。


空気を読んでその場から撤退する2人。外の戦場も殆どの上官が死んだからかどうする何する状態でルーリちゃん怒りの爆風もあってか伯爵軍は膠着していた。男爵の軍は未だに残って戦闘しているだろう。そして今空で彼女たちが戦闘をしている。


リカちゃんに妖精が捕まって謎魔法で飛んでいる状態だ即座に感覚だけで空中戦をするリカちゃん


リカ : なんでこんなことするの!!!カブも!村の皆んなも!!なんなら!!あなたの家族も死んでるんだぞ!


ルーリ : 五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い!なんで急にそんなに強い!何をした!まさかお前も強欲と同じスキルを持ってるのか!隠してた!!!ずるいずるいずるい!!


リカ : な、何を言ってるの!訳わかんないよ!!


ルーリ : 今私と戦えてるのがその証拠!!!ずるい!いつもアンタは!私の好きなものを全部とる!全部全部お前のせいだ!!!


大規模魔法が飛び伯爵軍とまとめて民家が数十棟抉れる


リカ : はぁ!?あんたは!意味わかんない!村の皆んなを巻き込んで!いっぱい殺して!…カブもアンデットにして!


ダークソードを両手に一個ずつ持ち二つの剣で迎え撃つリカちゃん。妖精のバフでやっと同等なのだ。どれだけルーリちゃんがインチキなのかが分かる。


ルーリ : はぁ?カブは私のよ!また私からカブを取り上げる気か!?このクソ女!


リカ : さっきから。ッ!?…くそ話が噛み合わない。昔は普通に会話してた気がするし、何でなんだ


🧚‍♀️ : ピクゥ〜ピクピクピクゥピクゥ

あちゃ〜強いの食べたピクなぁ多分自分で何やってるかも分かってないピクな


ルーリ : 全部私の!全部私の!全部私の!


強欲で作った長い両手剣で斬りつけてくる。


🧚‍♀️ : ピク〜

だめピクゥ〜


妖精が剣から白いオーラを吸い取るように消す


鍔迫り合いをする時またルーリがキレ散らかす


ルーリ : 何で私の強欲が働かないの!!私の力が通じない…ダメそんなのダメ…


するとルーリの体が膨張していく


リカ : え?

🧚‍♀️ : ピク!?


するとルーリだったものが大きくなって地面に着地する


ルーリだったもの : わだじのものー!


男爵兵だけでなく伯爵兵たちもうわーと逃げ惑う


リカ : ルーリー…


🧚‍♀️ : ピクピクゥ

もうどうしようもできないピク


なんでルーリがこうなったか分からない。だけど、


リカ : ルーリー…結局どうしてこんなことになったか分からない。もう終わらせるよ。


ルーリだったもの : カブだぃずぎぃいいーー

膨張して屋敷の半分は飲み込みそうな手がリカちゃんを捕まえようとする。それを避け悲しい顔で見つめる。


リカ : いくよ!

🧚‍♀️ : ピクゥ!


巨大化したルーリの身体中にグリードを発動した時の発光に似たオーラが纏わりついてる。それに当たった人間が次々倒れていく。そして強くなった気がする。


リカ : 切り裂く!「「デスソードスラッシュ」」


ダブルによって二重になったデスソードスラッシュで一気に削る。大きくなった分リカちゃんにとっては有利となった。


ルーリだったもの : わだじは、カブがずきだっだ!だのに!おばえは!おばえは!!


リカ : え…カブのことが…


はっ!と攻撃を避ける避けた直後もルーリから強欲が何個も飛んでくる。


🧚‍♀️ : ピク!ピク!ピク!


いつから取り出したか手に剣を持ちグリードを打ち消してくれている。妖精が居なかったらもう終わっていただろう。


見境なしに人間を襲うルーリちゃん。そして肥大化する体はもうあの可愛らしいルーリちゃんとは程遠い。

リカちゃんの攻撃は着実にルーリちゃんを削っていった。


ルーリ : ババもママもぞんぢょうも…ガブも、びんな!びんな!りがりがりがりがりが


ドドドドと手を横にい 家々を薙ぎ払うように飛んでるリカちゃんを捕まえようとするがそれを避ける。風圧だけで服が裂けていくが気にしない。


リカ : …


そんなの知らなかった。何で今更、もう村はないのに。


リカ : …ルーリー…あなたのパパもママも…村長も……カブも死んだんだよ…


ルーリ : りがりがりがぶ…カブ…じんだ?…ばパも…ママも…死んだ……ああ


急に動きを止めた瞬間をリカは逃さなかった。


頭の上に飛び全ての力を込めて二本の剣を一つにして頭上から一気に切り裂いていった


頭から股にかけてニ刀両断


町中にルーリだったものの臓物と液体が広がっていった。


リカ : ………

🧚‍♀️ : ピクゥ〜?


リカちゃんは泣いていた


リカ : …グスン…なんでお前が…何も知らない雰囲気だすんだ…


リカちゃんは肉の海の中でただ泣いた

そしたら臓物の一部が子供の頃の形をしたルーリちゃんに変わり鋭い針状の物を手に持っていた


🧚‍♀️ : ピク!?

リカ : し、しまっ!?


ルーリ? : しね



??? : だ…め。



針状の物はリカちゃんを庇ったそれを目の前に止まった。


ルーリ? : え?


リカ : か…ぶ?


カブ : だ…め。ふたりけんかだ…め


ルーリ : カブ!でも!でも!


カブ : ルー…リー。おねがい


ルーリ : !?!…うぅ…うぅぅ…


リカ : …カブ…


カブアンデットの体は損傷している。そしてここまでどうやって来たか分からない。だがこうやって止めてるということは本当にアンデットじゃなくカブなのだろう。


カブ : ルーリー…


ルーリ : …カブ?


カブ : 俺はルーリーのこと、許すよ。


リカ、ルーリ : !?


カブ : 怒ってない。あと、ごめんね。気持ち、答えてあげられなくて。ごめんね。


ルーリ : …あぁぁぁ!カブ!カブ!皆んな!あぁぁあぁ!ごめんなさい!ごめんなさい!


血の涙を流しながら嗚咽する。


カブ : ルーリー。大丈夫。ごめんね。大丈夫。


ルーリ : あぁ……リカ…


リカ : …何


ルーリ : 私を…殺して…


リカ : …いいんだね


カブ : ルーりー。大丈ぶ、ご…めんに、だいじぶ


ルーリ : ぅぅ…ごめんなざい…お願いじます…ごろじでくだざい…


リカ : …分かった


リカちゃんはカブを避けるとルーリの頭に剣を刺した。

初めて確かに手応えを感じた…


カブ : け、んか…だ…


ルーリ : …リカ。カブ。ごめんなさい。本当にごめんなさい。


するとルーリは最後に顔をまっすぐみて悲しそうに謝ると動かなくなり元の肉へと戻った。


ルーリのお陰で動けてたアンデットなのか、なんなのか分からないカブはもう終わりが近いらしく、最後に力を振り絞ったのかリカに、


カブ : り、、か、、、ごめ、ん。ありが、とう。



だ、い、す、き。



2度目のプロポーズそして2度目の好きな人の死


最後も笑顔だった。



リカ : …なんなのよ…だんだのよぉ!!


リカちゃんはまた泣き始めた。


🧚‍♀️ : ピクゥ…


すると白いオーラがリカに集まっていく


リカ : グジュ、にゃ!?にゃにこれ!?


🧚‍♀️ : ピクゥ!?

えぇ!?


強欲がリカちゃんに吸われていった。


リカ : うぐぅ!?


痛い痛い痛い。


倒れるリカちゃん



意識が遠のいていく。




近くでぽちゃぽちゃ走ってこっちに誰か来ている。





すると2人の影がリカちゃんに近づくのを見てリカちゃんは意識を絶つのであった。










🧚‍♀️ : ピクゥ〜

こんなの初めてピクゥ〜





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作者です!お読みいただきありがとうございます!

更新ペースは大体1-3日に1話でやっていきたいと思います。


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