第3話 あなたのお年はおいくつですか(中)
他、
そうなると、他の人々も念頭に置いて考えなければなりません。
ここで
え?
諡号というのは、死んだ後に生きた人がつける名前、おくりなです。日本ですと、明治天皇より前の天皇の『
さて、話を戻して、文公・
彼は紀元前677年に21歳であったと史記にあります。そうなると、生年は紀元前698年。彼は国内が騒乱となったなか、信頼できる部下の故郷、
その年、紀元前655年で43歳。
ところが、国語には17歳という記述があり……あったはずなんだがどこだか見つけられない! 私、こういうことよくあるので恥ずかしい限りなのですが、他の春秋時代オタクとすりあわせしたので、あるはあるはずなんですよ(絶望)
どちらにせよ、即位が紀元前636年で62歳、四年後の
いいかげんにせえよ、
ちなみに国語の17歳も非現実的です。6歳で城の防衛を命じられることになります。もういい加減にして。
このように、個々の人物だけを起点としようとすると、詰みます。
ここで、活躍時期ごとに分け、マーカーを意識してみましょう。
文侯と桓叔は極めて近い年の兄弟です。文候が60歳で死去したとき桓叔は57歳です。
文侯死後に
この時代、はっきりと史書に記載はしていないのですが、公室の公子のままと、公室から分かれて臣下になるボーダーラインが『領地』のようで、領地名を氏としているようです。(
ところが、桓叔は『公室の分家』と認識したようです。
文候の息子・
さて。
例えば
そうなると54歳。華々しく敵軍に突撃して戦死するには少しお年を召しておられないか? とも思いますが、お説教啖呵を切ったことや、敵であった
当時の平均寿命は確かに短いのですが、民衆と貴人とでは、やはり違うようで50歳~60歳くらいまで生きている貴族や君主は少なからずおります。実際、桓叔は72歳まで生きておりますしね。
ここから
ゆえに、欒枝が仕えた
マニアックな突っ込みをしますと、史記に準じてしまえば重耳の姉(
そのようなわけで。
さて。一旦時間を巻き戻し、
この間、29年。
桓叔は紀元前745年時点で58歳。前述した結婚ルール『30歳結婚、多少崩れて若くなってる可能性有り』を考えれば、荘伯は若くて20代後半、最大値を見積もっても30歳前半でしょう。
武公は慣例を無視して荘伯の死と同年に即位しています。荘伯は50代死亡の可能性が高いです。
さて、前述した結婚ルール以下略から、20代前半~半ばに即位した可能性を考えました。
若い野心家君主、いいですね、ひゅーひゅー!
その才覚を以て本家首都を滅ぼし、分家こそを
そう、分家を『
紀元前704年に本家首都を滅ぼしたにも関わらず、国際社会のトップ
彼が様々な努力、そして賄賂を積みに積んで晋公になれたのが紀元前678年。周王に諸侯の証を賜った翌年に全てを終わらせたと言わんばかりに死亡。紀元前677年。
仮に紀元前716年に23歳としましょう。二十代前半から半ばの真ん中をとっただけです。そうなると紀元前677年没で享年61歳。あ。今更ですが数え年では計算してません。ややこしいので。
この、享年61歳の男の息子が
当時の結婚ルール略で考えると、20代後半~30代だったのではないかと思われます。
が。
この詭諸たんは父親の
古代中国の『女は20歳、男は30歳で結婚をする』という基本ルールは『父や兄の未亡人を娶らないようにする』という騒乱封じでもあります。そういうことするのは文化人ではない、という倫理も。ただ、これに準じていると実情、政治などに合わないため、どこまで守られていたかとなると怪しいですが。
こういった、正室を放置して恋に浮かれた行動を起こす、という幼稚性を考えるに、紀元前677年時点で20代後半だった可能性もあるかと思います。
また、婚姻も極めて早かったでしょう。これは武公の周室攻略の一環として、他国の血筋の良い女を息子の正室として迎えた可能性からです。寝取られた妾も
また、
以上を前提に詭諸たんの醜聞を考えるに、武公が妾をもらうだけもらって触ってない、忙しい時期であったろうと思われます。
それは本家の残党(存在主張しながらゲリラ部隊のように戦ってた様子)を壊滅させるため
遠い東国から西国に嫁いできた武公の
武公が本家残党を壊滅させたのが紀元前679年です。
重耳たちの母が詭諸たんの
詭諸たんは、女の子が自分の物になると最初にとっても励んでしまう癖があるようです。父の妾からは、長女
ゆえに、
紀元前682年に嫁入りしたとすれば、重耳は武公の死んだ紀元前677年に早くて4歳となります。
つまり、
※父の仇に許されたでは、重耳の年齢をもう少し上げてます。
ようやく欒枝ってとこで、次こそ
■□■
拙作で武公・称さまが活躍するのはこの作品。
創世記
https://kakuyomu.jp/works/16817330662502026894
欒成を主役として晋の行く末と少年君主との絆をえがいてます。
覇者重耳が出てくる拙作はこちら
父の仇に許された
https://kakuyomu.jp/works/16817139555463331404
重耳を殺そうとした男の息子が主役です。主役を許す度量の大きい重耳。大河ドラマ展開がお好きならぜひ
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