第2話 あなたのお年はおいくつですか(前)
ちなみに
これが、現代の人にエンターテイメントとしていまいち伝わらない。現代だって都市を奪っても国を滅ぼし尽くすような戦争はめったに起きてないじゃないですか。それと同じなんですよ。
この『尊皇攘夷』を形骸化させ、覇者を『国際連合トップとして皆を束ねるから言うこと聞け』という強権軍事同盟制度に変質させたのが、
年齢ですよ。年齢。
主人公である
もちろん、生没年記載どこにもねえよ!!!!! 超名門の良血のくせに!
それでは父親の
左伝で名前と役職のみ終わり!! ちなみに六大臣席次5番目・三軍制将軍の一人の意味。
大丈夫です。名門ですから、祖父がいます。
拙作『父の仇に許された』序盤のキーキャラクターで主役の相棒兼愛人です※おっさん。紀元前633年に
そしてこの紀元前633年以前の記述が無い。没年が紀元前622年というわかっている珍しい人ですが、引退前に死亡したこと、そして当時大臣が一気に四人なんでか死亡したからでしょう。いやでも紀元前633年以前がないため、死亡年齢がわからないのは同じ。
しかし、大丈夫。名門ですから、曾祖父がいます。
紀元前709年に戦死しています。
…………。
……………………。
ちょっと待て。
んなわけあるかい、今より栄養状態が悪い古代にそんな健康的すぎる70代がおるか。
いやさあ。
無理あるでしょ。
絶対に、間に一人いるか、欒成の死亡がずれてるでしょ。が。欒成の死亡は、
これ、間に一人誰かおったんやろ?
しかし、謎の欒□は史書にはかけらもおりません。あくまで、欒成の息子は欒枝とされています。
私は欒枝を書くにあたって、この時空の歪みを無視することにしました。欒枝の性格形成上、晋公室の争いに巻き込まれ一族を二分して闘う羽目になった欒氏の過去、欒成を己が仕える君主の祖父に殺されたエピソードを無視できなかったからです。
そして、春秋時代の史書にはよくある時間のねじれ時空の歪みなのてす。
では、気を取り直して。
くり返しますが、さすが名門です。
もちろん、生没年不明です!
挫けそうですが、彼が仕えた
文侯 紀元前805年〜紀元前746年
桓叔 紀元前802年〜紀元前731年
ところで
初代の名は
アザナが何かって? 他人が呼んでいい名前だよ。伊達藤次郎政宗だって、本来は藤次郎って呼ばれてたと思うのね。政宗は
さて。
春秋時代始まってません。
春秋時代始まってません!
いやまあ、これはついでのようなもの。
拙作には
と欒氏の人物がそれなりに出てきます。
拙作『父の仇に許された』では主役の
それに比べて欒氏は300年近くの歴史を持つ名門大貴族。幾多の戦乱内乱を晋と共に歩み、滅ぶこともない。
なのにお前ら生没年不明かよ! いや二人没年分かってる。なんだお前ら奇跡の一族かよ(本当に生没年が分からない大臣まみれなのだ)
この場合、全く分からない
たとえ妄想としても整合性が欲しいところ。
周囲――つまりは生年が分からない君主や、生没年不明の同僚たちをさらに洗い出して、決め打ちしていくということです。
実は10年以上前にそのようにして『年齢妄想年表』を作っていたのですが、今見ると精度の低さや取りこぼしもあり、資料の精査が必須レベルなのでした。
と! 言うことで、無事、小説の主人公は年齢がわかるのか!?
せめて、二十代後半とか、三十路前半とか、三十路後半とかざっくりでいいから、見えてきますように!
みなさんは歴史上の人物の年齢をどのように調べ、逆算などされてますか? 教えてくださると嬉しいです。
私は最終的に勘です。
後半に続く!
■□■
作中の欒氏が特に活躍する拙作は以下です。
創世記
https://kakuyomu.jp/works/16817330662502026894
欒成を主役として晋の行く末と少年君主との絆をえがいてます。
父の仇に許された
https://kakuyomu.jp/works/16817139555463331404
欒枝は主役を見いだし導くオジサマとして活躍してます。おっさんとおっさんのBLから始まり大河ドラマが展開されてます。
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