地球を半分にしたら

鐘鳴怪

地球を半分にする

「なぁ、もしも俺達が住んでる。地球をこのスイカみたいに、半分に切る事が

 できたらさぁ、俺たちの関係も世間に認められるんじゃないか?」俺と

 幼馴染の久野光は、付き合っている。同じ性の俺と光は、誰にも気づかれない

 ように。ひっそりと愛を育てていた。「なぁ、光」「うん?どうした?青?」

 山川青。それが俺の名前で、光に名前を呼ばれるのが恥ずかしさもあるけど。

 同時に、嬉しさもある。「俺たちの関係って、一般的に何て言うんだ?」

 光は、整った。顔を俺の顔近くまで接近させてきた。「別に、ただの友達と

 しか思わないじゃないか?」「えぇ~マジで~こんなに愛し合ってるのに?」

 光の体が、うつ伏せの俺の体に触れた。俺の耳元に、光の吐息が掛かり。

 耳が熱くなった。「なぁ、俺さぁ青のことめっちゃ好きやねん」

 「何で、関西弁なんだよ」「アイラブユーやねん」「その下手な関西弁やめてくれ。

 道頓堀に沈めるぞ」この光の鬱陶しい絡みが、小さい頃から好きで

 しょうがなかった。「でも、何で俺らの関係を言っちゃいけないんだよ。

 クラスの連中は、皆彼女が出来たとか叫んでるのにさぁ」「なぁ、光」

 「うん?何?青」上に乗る。光の体の熱を感じながら、俺は少し

 変な例え話を光にした。「もし、俺らの住む。この地球が、スイカみたいに

 パカッって、半分に切る事ができたらさぁ」寝転がる。俺の体を起こし

 その反動で、光が後ろにのけ反る。「俺の関係をクラスの連中に言えるんじゃ

 ないか?」俺は、光の顎に頬に手で触れて、そのまま光の唇を奪った。

 「そんな世界にしてみないか?俺たちの力で」「青~その例え難し過ぎるで」

 光は、お返しにと俺にキスをした。「地球って、そんなに簡単に半分に

 切る事ができるかい?」光の唇が俺の唇から、離れる。

 「今は、無理かもしれないけど。この先の科学技術の進歩が、進めば

  可能になる日がくるんじゃないか」「そんな未来が来ればいいなぁ」

  「あぁ、そうだなぁ」俺と光の関係を言える日が、来るには

  地球を半分に切る技術が必要なくらい。そう、簡単な問題ではない。

  でも、絶対に無理と言う訳でもないと思う。

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地球を半分にしたら 鐘鳴怪 @yo-81u

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