理想と現実の狭間で平和を願うテロリストは友と対話を経て最後の決断をする

登場人物は三人ではあるが、その行動は世界の行く末を決するほどの重要さがある。

シンクタンクに属するサラ。彼女はかつての伝説とまで言われた特殊部隊の軍人だったレオンと恋仲にある。
そのレオンは、サラのおかげで「対話」こそが世界を平和へ導く手段だと固く信じている。

一方、レオンの軍人時代からの親友であるライアンは、世界各国の要人たちの対話に絶望し、「力こそ正義」という信念を持っていた。

この物語の冒頭で「テロリストの核攻撃声明」が発表されるがその真犯人にサラはたどり着いていた。

平凡な日常から一気に緊張感溢れる展開へ変わるコントラストがすごい。
第7話で完結しているが、短さを感じさせないテンポの良さと、レオンとライアンの会話の、お互いが同じ理想を信じていた時代と今の状況のギャップが深みを感じさせてくれる。

「ファイナル•ディスカッション」レオンとライアンの対話の果ての結末はぜひ大勢の人に読んでもらいたい物語である。

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