第4話 制服美人・・・
ジィ~ィ・・・ ジィ~ィ・・・ カタ・・・・ カタ・・・・
と・・・、 煩くプリンター音響く・・・・
疲れているとたわいもない音までが何だかストレスになりそうで
不快になる・・・・
おまけに今処理している液晶モニターの中の機密事項が
ミッチの疲れ目に余計に拍車をかけた。
早くこの件を終わらせて次の仕事を処理しないといけない・・・
まいったよな・・・・・(゜_゜)?💦
仕事が予想以上に長引いてしまった・・・
後悔しても仕方ないがコイツはちょっとだけ・・・
ちょっとだけ厄介かもしれない・・・
おまけに手間もとらない仕事がデスクの上のメモリースティックに収まっている。
この仕事は別に他のときにまわしてもいいのだが、一気に済ましてしまいたいというのがミッチの本望だ。
誰か手のあいている人が居ないか・・・・・・・?。
疲れ目で社内を見回して見る・・・
斜め前のデスクにまだ幼さ残した女性社員が意欲的な顔してキーボードを叩いている・・・
グラデーションボブ・・・
少しだけウェーブかかり・・・
赤いルージュが少しダケ不釣合い・・・
ふとその社員がこちらに顔を・・・
ミッチを見ると微笑みかえした・・・
・・・・・正午
カフェテリアの窓辺にミッチは腰を下ろす。
何とか仕事もひと段落着いたので優雅な昼食を楽しむことが出来る・・・・
オープンサンドは生ハムと香味野菜との風味がとても楽しめた。
食後のキリマンジャロを胃に送り込みながら、外の緑と活気ある風景を眺める。
周りの客席の大半がミッチが所属している会社の者のようで、首から見慣れた社員カードをぶら下げていた。
別に休憩時間を一人で過ごすという気はない
ストレスや不満を抱える若手社員の話を聞くのもミッチの仕事なのだから・・・
先ほどまで対面に若手の男性社員が座ってミッチと話し込んでいたのだが自分の仕事がはかどらないようで休憩時間を惜しむように先に席を立ってしまったのだが・・・・・。
その男はかなりの野心を持っていて何だか在りし日の自分を投影したように見えたのでミッチは好感を持てた。
課は違うらしいが新入社員の仕事とは思えない仕事の量を任せられているのを聞いて少しミッチもたじろいたのだ。
「君が私の課に入ってくれたらすぐにでも仕事を任すんだけどな。」
ミッチの話に男は苦笑いをして見せて謙遜を言ったが、もしその機会があればお願いします。と、ミッチと握手をした・・・・。
若返りたいものだ・・・・・。
何気にぼやいてみせる。
一応体裁の家庭は持てたがまだ何もはじまっていない・・・・。
時間を元に戻せたら何が何でもおろそかにしてきた自分の足りないところを直すつもりだが、実際のところそれを成し遂げる
ような力はないのでどうにもならない。
人生なんて後悔の繰り返しなんだろう・・・・
裕福な町の中に住む私はまだ救われているほうなのだ。
地方の田舎町じゃあ毎日時給の5ドルを稼ぐ為に死に物狂いのような生活と、些細な出来事によるわけも
分からない犯罪が横行しているのが現状なんだから。
この私は雲の上の人と自分で思っても別に今では自尊心も痛まなくなったし、勝ち組だという自分自身が誇らしく思えてならないのだ。
さてと・・・・・
余った時間でその辺を散歩でも・・・
カフェテリアの代金を支払うと外に出た。
渇いた秋の風は涼しげで気持ちよくて落ち着く・・・・・・
こんな日に遠出が出来たら最高なんだが・・・・。
のんびりと空を見上げてゆっくり歩きながら午後の仕事の内容を頭の中で整理してみる。
休憩前に小さな仕事を新人に任せたから後は自分の仕事に没頭できる・・・・・・。
うちの課ももう少し人が増えてくれればいいのだが、何べん上層部と取り合っても聞き入れてくれないのだ。
経費を削減して利益を得るのはどこも同じだが、私の課は少し人員が少なすぎる。
まあその分リミットが長く与えられているから仕事が間に合わないことはないのが唯一良いことなのだが。
「休憩時間まで仕事のことを考えてしまうとは・・・。」
ミッチはぼやくと自分の会社のあるほうへ歩いていった。
「課・長ぅ~」
元気な声に驚いて振り向いてみると、午前中仕事を頼んだ部下がにこやかに笑っていた。
「あ・・・・。ええっと名前は確か・・・・?。」
「ヘンリエットですよ・・・。もう・・部下の名前ぐらい覚えておいてくださいね・・・^_^;」
「すまないね・・・。いろいろ考え事してたものだからすぐに君の名前が頭に出てこなかった。」
ミッチは少女のように笑うヘンリエットの顔を見て少し赤面して笑いながら弁解した・・・・。
「あのう・・・・・。任された仕事なんですけど・・。ちょっとわからないところがあるんで教えてくれませんか?。」
上目遣い気味にして尋ねるヘンリエットの表情にミッチは情を覚えると、歩きながら細かく仕事の説明や手順を教えながら
本社ビルへと帰っていく。
自分の課にヘンリエットが戻るのを見届けると、ミッチは用を足しにトイレへと向かった・・・・。
トイレには3人ほど人が居たがみな課の違う人間か知らないが、軽く挨拶するだけでみな休憩時間を惜しむように
小走りに用を済ませては出て行ってしまった。
そんなに急いでも意味は無い・・・(・_・)
トイレの前に立って用を足す・・・
みずがながれるおと・・・
耳の奥に突きささるかんじ・・・
ナンダカ・・・
くうき張り詰めたみたいな風に感じて・・・
きィーん~~ と、不快な耳鳴りを感じ・・・
そしてナニカ変な雰囲気・・・・
何気なく入り口の方に目を向けた・・・・
すると・・・・?
音もなく・・・
一人の女が大きなかばんを右手に下げて
入ってきた・・・
風体は茶色いパンツに白いTシャツ・・・・・
ブルネットの髪を肩まで伸ばし・・・
痩せ型で長身の女性・・・・
「あの・・・?。君・・・・。ここは男性トイレなんだが・・・・?。」
しかし・・・・
聴く耳もたないというような素振で黒い鞄を提げたまま個室を開けると中に入ってしまった・・・・
あわてて洗面台に向かって手を洗う・・・
彼女いったいなんなんだ(;・∀・)💦
個室を眺めるしかない私がいる・・・・
すると・・・
入ったときとは違う風体でトイレから出て来る
藍色の制服・・・
エポーレットを肩から吊り下げていた・・・
アップにした頭には制帽を・・・・
表情はとても魅力的に見える・・・(・_・;)?
モウ何が何だか分からないというミッチの視線をよそに、女は鏡に近づいて身づくろいするとゆっくり歩いてトイレから出て行った・・・
口を開けたままボケたようにその女の行動を見ていたミッチだったが、我にかえり慌ててトイレから飛び出してた・・・・
そして通路を見渡してみると、向かって右の方向にその女が右手に黒いかばんを提げて歩いていくところが見える・・・
ミッチは走ってその女に追いつくと声をかけた・・・・・・。
「ヘイ・・なんだよ(・_・;)💦」
それは男だった・・・・
頭を振って見直したが違う・・(・_・;)
私は男に謝罪して辺りをキョロキョロ
見回してみた
しかし・・・・
もう何処にもその女の姿はなかった・・・・・
虚構の肖像 @mokone471
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