第7話 ダメヒーラーは昔を思い返します
いやービックリしたなぁ……と少し歪になった皮膚を撫でながらお医者さんがくれたお菓子を食べる。
朝起きて、メイドっぽい人に呼ばれたから
中庭に何故か……えっと、まる、まる……まるまる、違うな、マルム・ティスフレイ様?かな?
その人が居て、思わず顔を顰めちゃった。
「えっ……と、魔王様、なんでこの人がここに?」
「貴女こそ、いつまでここに居座る気なのよ!」
「いや、別に居座ってると言うか……大体、
性格が合わないって前に言いましたよね?魔王様」
「だが、一応な?喋ってはみないか……?」
うわぁ面倒くさいな……心底だるいと思いながらもとりあえず席に座る。
「……そうですか。とりあえず私にも紅茶をお願いします」
「平民風情が紅茶を要求するなんて、厚かましいとは思わないのかしら。厚顔無恥とはこの事ね」
「今は一応客人と言う立場なので、平民だろうとお貴族様だろうと関係ないのではないでしょうかね?貴方の場合は……正に傲慢無礼と言った方がよろしいでしょうか」
「……っは。平民にしては頭を捻ったじゃない、私の懐が深くてよかったわね」
「まぁ、箱入りで、世の中のこと知らないみたいなお嬢様にも懐って概念あったんですね!驚きです!」
「ッ!さっきからっ……ふざけるなぁ!
〝ダークソウルファイア〟ァ!!」
「あっやべ」
「ミナホっっっ!!!」
何とか右腕で受け止めた?受け入れた?お陰か全身火だるまにならずに済んだけどやばかったなぁアレは。
タバコで押し付けられた時よりじわじわと焼けてくのよりもすぐに熱くなって、とにかく痛くて、苦しい。
でも、怪我が治ってよかった筈なのになんであんなに叫んじゃったんだろ?
……あぁそうだ、忘れてたけど、〝治ったら治った分〟また元に戻るからだ。
治ったらまた、タバコよりも酷いもので。
「もう居ないのになぁ」
不意にコンコン、と扉を叩く音がした。
「はぁい?どなたですか……っうわぁ」
扉を開けてみると、めちゃくちゃに顔を腫らした魔王様とメガネのお姉さんが居た。
「ミナホ様、お休みのところ申し訳ありませんがバカ魔王の野郎に謝罪をさせたく馳せ参じさせました」
「済まなかった……」
「えぇ……別にもう気にしてませんから、どうでもいいんですけれど」
「どうでもいいとは!?そんな……」
「魔王様は黙っていてください。ではミナホ様、何か謝罪の品物は如何でしょうか?ハムやブラッドブルの肉を取り揃えています」
「……ブラッドブルってなんです?」
「人間界で似た動物で言い換えると……牛肉でしょうか」
「ぎゅうにくっ!?そんな高価なものがあるんですか!じゃあ食べたいです!」
「では明日の昼食には牛肉のステーキを」
「やったーっっっ!!!!!!」
異世界で牛肉を食べられるなんて!最高だーっっ!!
「……えっと、俺は……?」
「空気読んでください」
「あ、まだいたんですか?」
「お前ら酷すぎないか???」
ダメヒーラーを飼う魔王様 パルラコ @ami_44
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