個性はみんなそれぞれ
- ★★★ Excellent!!!
最終話で
「ベランダから見下ろした庭は、とっても小さかった。
ボク、いつもあそこにいるんだな。」
と、気付いたゆうくんですが、そこへ導いたのは家族の力でしょう
人それぞれ、個性もそれぞれ
虫にもいろいろあるように
ゆうくんの目線で、ゆうくんが自ら気付いていく
それは何より周りの人たちがみんな、ゆうくんの個性を認めてくれているから
決して無理をしているわけではない
ごく自然に「ゆうくんはゆうくんであればいい」と
語り口もですが、物語自体もなだらかで穏やかで、すぅっと自然に「ああ、そうだな」と読後に納得してしまえる
そこはさすがの作者さまの筆致でしょう
万能の天才になることはないので
出来ることもあれば、出来ないこともある
弱点を叩くよりも、強みを伸ばす、子どもそれぞれの個性に合わせて
自分を否定するようにはなってほしくありません
世の中がもっと優しくなってほしいと願ってしまうのは、ちょっと飛躍しすぎでしょうか? 古い時代、個性よりも協調を強いられてきたものだからこその感想かもしれません