まさに新機軸の魔法少女

マギアウイルス。
感染経路不明・若年女性特有・戦闘能力が開花——
この定義は完全に“架空の感染症設定”として斬新で整っています。
社会構造から感染対策のための組織があり、医療機関の延長に6課がある、などなど…。
構築がめちゃ上手いし、新しいです。

さらに“魔法少女がウィアドを倒す”という事実すら、「社会が感染者を利用して感染対策処理させている」構図に変換されてる。
そして成人に至ると命を落とす病。
つまり、ヒーローは社会に使い捨てられる病人であること。
「ウィアド」と「魔法少女」の関係は、
まるで免疫反応と病原体のように鏡構造をしてる。

感染し、ウィアド化したならば、昨日話した隣人でさえ、向き合わなくちゃいけなくなる。
単なる怪物化じゃなくて、
“個人関係が侵される”というホラーになってる。

さらには「魔法少女もウィアドも、どっちもどっち」という現場知られざる社会的な鈍化もある。そんな魔法少女たちは、ただ静かに魔法少女同士で手を取り、立ち向かうしかない。

なんとも切なく、行方にハラハラするドラマティックな魔法少女設定です。
面白いです。

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