隣の席の優等生が、煙草の匂いと一緒にあたしをからかってくる話

※未成年喫煙の描写がありますが、この物語はそれを容認・推奨するものではありません。
苦手な方は何卒ご留意ください。

朝比奈玲央（れお）の隣の席の西園寺紫苑（しおん）は、誰もが認める真面目な優等生。
成績は常に上位で生徒会長もしており、先生からの信頼も厚い。
完璧で、近寄りがたくて、正直ちょっと気に食わないやつ──玲央にとってはそんな存在だった。

でも、ある日。
校舎裏のベンチで偶然見てしまった。
眼鏡を外し、長い髪をほどき、タバコをふかす西園寺の姿を。

普段とのギャップが強烈すぎて、目が離せなかった。
西園寺は玲央を見てふっと笑いこう言う。

「…これ、二人だけの秘密ね」

…だるくて、めんどくさくて、誰ともつるむ気なかったのに。
気づけば今日も校舎裏のベンチで、あの煙草の匂いを探して…続きを読む