アイツ怪しい

クライングフリーマン

アイツ怪しい

 ================= 基本的にフィクションです ============

 今頃、線香花火しているなんて。

 ここは、小さな公園。

 確かに、側に水の入ったバケツを置いている。

「火の用心」はしている。

 でも、怪しい。もうすぐ10月だ。

 花火大会も夢のかなただ。


 いけない。窓から見ている私を見付けたか?

 首を引っ込め、そろそろとまた見る。

 やはり、線香花火をしている。

 1本、1本・・・え?側にある段ボールから1袋ずつ取り出しているのか?

 そして、1本、火を点け、燃え尽きると、1本。


 夜中の3時になった。

 そいつが、段ボールから取り出したのは・・・あれだ。

 私が飛び出すと、相棒も飛び出した。


「こんな所に『麻薬』を隠すなんて・・・詳しい話を聞こうか。」

「火薬です。」「は?」

「火薬のにおい、好きなんです。」

 相棒は、そいつの言うことは聞かず、手錠をかけた。

 パトカーがやってきた。


 線香花火とバケツの始末は、駐在に任せた。

 暫くは、使えないな、「公安の隠れ家」。


 様子を双眼鏡で見ていた中学生が言った。

「あいつら、絶対、怪しい。


 ―完―

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アイツ怪しい クライングフリーマン @dansan01

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る