それは一体誰なんだ

読み方によって、いろんな読み方ができる物語だと感じました。

美しさと儚さに対する深い感受性を描きつつ、転生や宇宙的視点を絡めて独特の世界観を展開していらっしゃるあたりを、興味深く拝読いたしました。

物語の冒頭に記されていた、登場人物が抱える「美しいものに触れると死にたくなる」という感覚は、瞬間の美しさが永遠に残らないことへの切なさを言葉にしたものなのかな、

そこから派生して到着した点が「宇宙人」となるのが非常に興味深く、また面白いポイントだと思いました。

喫茶店のマスターの言う「宇宙単位でまだ若い」という言葉や、前世のエピソードにより、主人公がこれまでの人過去生をどう受け入れているのかがちらちらと見えて、それがまたこの物語を面白くしていると思います。


ただ、最後の最後に突然、「メアリ」という名前が登場したことで、これまでの感想は、一気に全てひっくり返ります。

メアリは一体誰なのでしょう。

とても面白かったです。ありがとうございました。