永遠の海

作者 @ns_ky_20151225

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★★★ Excellent!!!

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 人類が、星間世界に広がった未来の世界、ある惑星での物語。
 惑星リルの大気と海には有毒な金属成分が多く保持され、その成分が多く溶け込んだ海に生息する魚介類「鎧甲類」は特殊な薬品の原料になり、高値で取引される。
 地球に留学を夢見る少年ケントは、漁師になって小さな漁業会社HFOに所属し、厄介な鎧甲類との洋上の格闘を開始する……

 流石に未来の外惑星での話だけあって、漁も高度に機械化されているのですが、そんな中にも人間の「勘」がものを言う場面が少なくないのが妙に面白い。
 海のロマンとでも言いましょうか、超光速宇宙船などというものが実現している未来世界であるにも関わらず、始原的な「勘」などというものが最後にアテにされるという状況には興味を引かれます。ディープにSFでありながら、人間の解明しきれぬ複雑な因子を描き出していると言いますか。

 しかし、懐古的で呑気な流れにはなりません。
 惑星リルは鎧甲類の保護と経済開発、そして諸々の人間同士のしがらみで揺れており、ケントを始め彼の家族やHFOの面々はそんな情勢に振り回されざるを得ません。
 そしてついにあることが明るみに……?

 ケント少年の夢、そして惑星リルの未来はどうなるのか。
 そして最後にはっとするタイトルの意味。
 人類がリルと引き換えに得たものは……?

★★★ Excellent!!!

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資源開発としての惑星開拓が盛んな時代、漁業で成り立つ惑星で、学費を稼ぐために漁師をすることを選んだ少年が主人公。
社会、経済SFで、SFである前に、まずお仕事小説として面白い。漁師としての仕事や生活がていねいに書き込まれている。
社会の動きには、やや楽観的というか性善説的なところがあると感じたが、文章や登場人物の描写にあたたかみがあって、むしろ作品の魅力を押し上げていると感じた。おすすめです。