素直になれない俺と優しい彼女

第七話 不思議な気持ち

永久side

小さい頃から俺はたまにこいつの…遥香の代わりに生活をしたりしていた。いつの間にか俺という人格が出来ていてほかにも俺の弟の人格や優しい人格他にも色んな人格が生まれた。だけど、遥香と変わることが出来たのは俺だけだった。遥香の代わりに生活してたまに辛いことを経験するといつも心配そうにこっちを見てくる奴がいた。そいつは俺よりも年上のくせに泣き虫で可愛かった。そいつは俺と目が合うと何故かいつも目を逸らした。だけどいつも俺と顔が合うと顔が真っ赤だった。なんでなのか俺にはわからなかった。


優香side

私は人格として生まれてしばらくしてからその子のことが好きだった。いつも遥香ちゃんを守っている所をいつの間にか好きになっていた。その子は遥香ちゃんを守るために自分が犠牲になることが多々あった。私はそのときのその子を見るのが嫌だった。犠牲になっているその子を見るたびにいつもいつの間にか泣いていることが多かった。その子と話したいと思うことは度々あったが、いつも恥ずかしくて話せなかった。私はいつもにこにこしている女の子に言われたことがある。

「ねぇ、あなた、あの子のこと…好きなんでしょ?」

その女の子は悪戯っぽく笑ってそう言ってきた。

「え…あ、その…えっと…はい…」

私は顔が熱くなりながらそう答えた。

「アハハ、顔真っ赤だよ。あと…頑張ってね?」

私は真っ赤と言われた顔を隠しながらコクコクと頷いた。


永久side

(あー…クソッ…なんかおかしい…)

俺は遥香が小学校高学年に上がった頃にムシャクシャした気持ちになることが多くなった。

(なんなんだよ…なんでこんなにムシャクシャするんだよ…)

俺はこの頃小さい頃から泣き虫な年上のアイツを見ると何故がドキドキするようになっていた。

「ねぇ、君」

肩を叩かれながら呼ばれたので振り返ってみるとそこにはいつもにこにこしているやつがいた。

「なんだよ?」

俺は若干不機嫌になりながら訊くとそいつはケラケラと笑った。

「そんなに不機嫌にならなくてもいいじゃん。弟君に怖がられちゃうよ?それで、ねぇ君、あの子のこと、好きなの?」

そいつは年上のアイツの方を見ながらそう言ってきた。

「は⁉なんで⁉」

俺は驚きすぎて大声を出してしまったので周りにいたやつがこっちを見た。

「なんでいきなりそういう話になるんだよ。」

俺は恥ずかしくなって少し顔を赤くして小声でそいつに訊いた。

「いや、最近君あの子の方を無意識か知らないけど見てることが多いからさ。」

そいつは悪びれる様子もなくニヤニヤしながらそう言った。

「うー…あー…知るかっ!」

俺はそう言ってそいつから離れた。

「ったく…俺がアイツを…?」

俺はそう呟きながらふて寝した。


優香side

「は⁉なんで⁉」

いきなり大声が聞えて私はそっちの方を見た。そこには私が気になっている子といつもニコニコしている女の子が話していた。私はそれを見て何故かモヤモヤした気持ちになった。

「……知るかっ!」

あの子はそう言って寝てしまった。

(なんでこんなにモヤモヤしてるんだろ…)

私はこのモヤモヤした感情がわからないのであの子の弟君と話し始めた。

「ねぇ、お姉ちゃん…なんか…変だよ?眠いの?」

「そうかもね…寝ようかな…一緒に寝る?」

私がそういうとその子は笑顔で頷いた。

「よしよし、可愛いね」

「むー…僕、男の子だもん」

「よしよし、そうだね。さて、寝ようか」

「うん!」

私はその子を抱きしめて寝始めた。

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