霧の森ニーベルゲン。


ドラン連山のふもと



パカッパカッパカッ………………



鬱蒼うっそうとした森林をかき分け進む三頭の馬の蹄の音が響く。


伝説の光に包まれた雌鹿を追う。


戦乙女ヴァルキリーこと、亡国の姫キュピレス。


そして彼女に従う二人のヴァルハラ勇者。


聖法力の槍を持つロン ゴミアント

と黄金の湾曲剣ハルパー帯びたペルセシウスの姿 があった。



光輝く雌鹿を追い、木立の中を進むと、やがて美しい 小さな湖が見えて来た。


雌鹿は一本のはしばみ の木の影に隠れた。


三人は雌鹿が隠れた榛の木の前で馬を降り木の 影に近付いた。


すると、そこには霧の森の住人ニーベルゲンの妖精美女リョース.アルバァーが


腕を酷く傷つけている壮年の騎士を抱え起こし ていた。


『女神ナリス様……』


『ヒーラーの治癒力で、この湖の命の水を掬い私の愛する人をお助けくださいませ……』


キュピレスは自分が女神ナリスの転生者である ことを彼女が知っていたことに驚いた。


『あなたは、いったい何者なのですか?』


霧の森の妖精リョースアルヴァーが答えた。


『私は霧の国の住人ニーベルゲンのものです。 』


『そして、この私の愛する人はドラゴンスレイヤー 龍討伐聖騎士ジーク様です。』


『この霧の森を含め、世の安寧を守るため漆黒大魔龍を討つ使命を帯びた方なのです。』

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魔剣伝説.ティルヴィング.サーガ.リバース。 シマリス @st1205

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