甘い物に目がない女子高生・佑美奈は、ある日の放課後、何者かによって机に置かれていたドーナツを食べてしまう。
ドーナツを置いた何者か――その正体は、大きなヒヨコの姿をした幽霊・ピヨ助だった。
ピヨ助のドーナツを食べた人間は霊が見えるようになる。佑美奈は甘味と引き換えに、ピヨ助の目的である学校の怪談調査に付き合わされることになるのだった。
……というわけで、女子高生とデカいヒヨコがバディを組んで挑む怪談ものです。
完結作品。
互いに振り回したり振り回されたりな佑美奈とピヨ助の関係にクスリとしたり、かと思いきや怪談の真相はしっかりホラーでゾクリとしたり。面白いです。
怪談調査に未練があるヒヨコ型(人間大)幽霊と、彼の出すドーナツに憑かれた?甘いもの大好きな女の子が、様々な怪異から直接話を聞きながら、その因縁に秘められた謎を解き明かしていく物語。ミステリ風のホラーです。
主人公二人のゆる~い会話劇で展開され、怪異たちもそのノリに乗っかるから、死んでいるのに生き生きとして切なくもある。
全体的にはコメディタッチで、読んでいてくすりとできます。
ガチなホラーは苦手って人でも大丈夫でしょう。
とは言え、そこはホラーもの。
怪談の核に触れたなら、背中にアイスを突っ込まれたような気持ちにもちゃんとなれます。
個人的には2話と4話が好き。
気合の入ったホラーやスプラッタは苦手だけど、ちょっぴり背筋を冷たくしたいかなって人におすすめです。
また作中にはタイトルの通りに甘いものがよく登場するので、お腹がすきます。
お菓子を用意してから読むのが吉かもしれません。