恋人との死別を切々と綴った、センチメンタルな短編。
不思議な壺「星作り」を譲ってもらった傷心の女性が、亡き恋人への未練を癒し、立ち直るまでの物語。
壺に宿った精霊が、人の哀しみを汲み取って花火のように打ち上げ、それが星となる…というメルヘンチックな設定がとてつもなく美しいです。
その哀しみが深ければ深いほど、星の輝きもいや増すんでしょうね。主人公が恋人を失った辛さ、恋人との出会いから交際を始めるまでの幸せな日々も克明に記されていて、その落差が胸に突き刺さりました。
漫画原作というよりは、恋愛小説として純粋に面白いです。
同作者の『秋吉葵詩集』シリーズにもリンクしているので、そちらも目を通すことをお勧めします。