読みやすいラヴクラフト

 TRPGからクトゥルー神話の存在を知り、H.P.ラヴクラフトの原作に手を出した人は多いでしょう。私もその一人です。

 しかしラヴクラフト、非常に読みにくい。難解な英語を日本語訳したものなので二重苦です。私、斜め読みには自信があったのですけれども、「インスマウスの影」を読み切るまでに一時間以上かけました。「闇に囁くもの」は途中で飽きて放り出したレベル。

 そんな有様ではありましたが、ラヴクラフトの著作に流れる独特の空気感というのは感じました。いつかもう一度読みたいと思っていました。

 そんな所にこの作品を知りました。そして思いました。ラヴクラフトだ! 日本のサブカルチャーで書かれたラヴクラフトがいる!

 ラヴクラフトの作品に流れる空気感を継承しつつ、文章はとても読みやすく。神話的存在をぶちのめすカッコイイヒーローも登場する。

 ラヴクラフトを投げたクトゥルーファンこそ読んでほしい作品です。そしてラヴクラフトに再挑戦するのです。

 いあ! いあ!