第5話養子になるとのこと

「体が重い……」


そう…とにかく、体が重怠い…

特に下半身が麻痺している感じがある。

原因を幾つか考察し、改めて自分の体を確認すると推測が確定に変わった…


「包帯が新しいのに変わってる…っていう事は、美味しく頂かれちゃったのか〜…」


僕が動けない状態なのに、何てことしてくれたんだよ…

しかも、倦怠感から見て『吸い尽くされた』んじゃない…?

初めてだったから、せめて記憶がしっかりある状態が良かったな〜…

けど、悔やんでても仕方無いし、状況は変わらない…助けてくれた人に『お礼』も言ってないから、そろそろ行動しなくっちゃね!


「……ッッ!」


ゆっくりと体を持ち上げる…

痛みはあるけど我慢出来なくはない…かな?

多分、壁に体重を掛ければ移動は出来る筈だ…けど、問題は建物の構造だよね…?

確か、『辺境伯』の屋敷って話してたから、其処らの民家より広いだろうし、見廻りしてる人がいるかもしれない……


「いきなり、侵入者扱いされないよね……?」


ツカサは、体を壁に預けゆっくりと扉の前まで移動し、ドアノブを回した。


『…ガチャ……』


扉が開き、警戒をしつつ周囲を確認すると、幸いにも見廻りしている人は見当たらなかった…その変わりにツカサが寝ていた部屋の左側、約100mぐらいの部屋に灯りが付いており、中から複数の人の声が聞こえる。


「取り敢えず、あの部屋に行ってみようかな?」


ゆっくりと歩を進める…体が痛い……無理をし過ぎたかもしれない。

脂汗をかきつつ、必死に部屋の前まで行き、扉を数回叩いて、相手に部屋に入っても良いか伺った。


「ん…?誰かな…?入ると良い。」

「失礼します。」


扉を開けると、そこは広さ50畳程もあるリビングのような部屋だった。

中央には机があり、男女2が居たが、男性の方が驚いた顔で僕を見つめながら話を始める。


「おぉ!!もう怪我は良いのか?って聞くまでも無い様だな…まだまだ、顔色が悪いじゃないか……折角、助かった命なのだ…無駄にしてはいかんよ?それに、立話も辛いだろう…ここに座りなさい。」

「そうよ〜♪無理しちゃメッ!よ〜♪」


僕は、促され席に着き、改めて2人を観察する。

まず、男性の方は年齢が40歳位で、とても精悍な顔つきをしており体も引き締まっている。

多分、この屋敷の『主人』であるんだろう…服装は豪勢な物だと思うが、嫌味な感じが全くしない…貴族と言うより熟年の武闘家ような威厳を携えている。

一方、女性の方は年齢が30歳前半位で男性の『奥さん』なのだろうか?

少し垂れ目をしており、左目にある泣きぼくろが印象的で、髪は亜麻色のストレートを腰まで伸ばしている…それと、1番驚いたのは女性の豊満な頂である……

早い話が『オパーイ』が、もの凄いのだ!!

地球で見た『ウリエルさん』を一回りした程の大きさなのだが、決して垂れているわけではなく、張りのある形がしっかりと服の上から、その『存在』を主張していた…

目が合うと、僕の考えている事に気づいたのか少し微笑み、『オパーイ』を左右に揺らす!


うん!やはり『オパーイは正義』なのだ!!大切なので繰り返す…『オパーイは正義』だ!!


「して…何故、傷も完治しておらぬのに、ここまで歩いて来たのだ…?必要な物があったのか…?それなら呼び鈴を鳴らせばメイドを迎わしたんだが…?」


あっ!?あの鈴って、その為に使うんだぁ…確かに、スマ○マで見たことあるなぁ…


「いえ…欲しいのがあった訳ではなく、一刻も早く助けて頂いた、御礼が言いたかったのです。」

「ふむ…それは殊勝な心掛けだが無理は良くない…我々も少し聞きたい事があるので、続きは君の部屋でしするとしよう。勿論、君はベットの上だぞ!」


男性は少し意地悪さうな笑顔を浮かべる…


「そんな失礼な事はできませんよ!」

「あなた〜?あまり虐めたらダメですよ〜♪」

「ふふっ!ばれたか…しかし、無理をしてはいけないと言ったのは本心だ…我々を心配させたく無いなら私の言うことを聞いてはくれないか…?」

「ありがとうございます。」

「遠慮はいらんよ…ミラ!彼を客室に、お連れしなさい。我々も少ししたら向かうのでな…彼の負担にならぬ様、体を支えて行きなさい。」

「旦那様、畏まりました。」


ミラさんが、僕に近づき右腕を掴んで立たせてくれる。

多少、恥ずかしかったが身体に力が入らないので、諦めてミラさんに体重を預け、僕等はリビングを後にした。


「あっ……!んっ……!……ひゃん!」


ミラさんの艶かしい声が廊下に響く…

どうして、このような状況になったかというと、僕がミラさんに体重を預けているせいである。

現在、僕の右手はミラさんにに掴まれ、上腕二頭筋の位置が胸に…掌が股の位置にある。

最初は、驚いて身体を離そうとしたのだが、ミラさんはそれを拒み、逆に密着してきたため、必然的にこの状態になってしまった。

しかも、運が悪い事に、僕の身体は力が入らず支えてもらいながら歩いている為、ミラさんの色々な部分にどうしても接触してしまっいる。

具体的には、『胸の先端』だとか股にある『女の子部分』とかを弾いてしまってらしい…けれど、ミラさんは嫌がるどころか、恍惚な表情を浮べ更に身体を密着させてくるので『悪循環ふのすぱいらる』は益々、増長エスカレートされる。


「……少し速度をあげようか…?」

「……ッ!…それではツカサ様の負担が…ひゃん!増してしましますので…クンッ!大丈夫で……アッ!はぁはぁ…それに…私はこのままの方が…んんっ!何でも御座いません…」


既に、僕の右手は、何故かびっしょり濡れている……

けど、何でミラさんは下着を付けて無いんだろう?この世界では下着という習慣がないのかな?

ミラさんの容姿は、『クールな美人』という印象だ…髪は水色で肩まで切り揃えており、服装はメイド服、目が見えない訳じゃ無いと思うけど、常に両眼は閉じれてている。

下着の話をしたが、服の上から見ても『オパーイ』の先端は痛いほど尖っているのが解るし、下の方も感触で何と無くだが判断がつく…

そうこうしている間に客間に着いたので、僕はベッドに腰を降ろしたが、ミラさんはとても残念そうな顔で此方を見つめていた。


「ミラさん、どうかした…?」

「いえ…決して、先程の行為が気持ち良すぎて、我慢りせいという名の堤防が決壊しそうなどということは御座いませんので…」

「あぁ…そう…?」


この世界の女子は肉食系しかいないのだろうか?


「それはそうと、ツカサ様?今後、私に敬語は不要ですので。」

「えっ…!何でですか?ミラさん?」

「ミラですよ!ツカサ様…」

「……ミラさん?」

「ミ・ラ!!」

「わかったよ…『ミラ』!これでいい?けど、まだ慣れないから、少しづつ変えていきたいんだけど?」

「畏まりました。ではお飲み物の用意いたしますね?」


ミラはおもむろに、上衣を脱ぎ始める…


「ナニヲシテイルノカナ…?」

「何をって…?やはり身体を早く治すには栄養満点な『母乳みるく』が良いかと判断致しました。けれど、私は母乳が出るか解りませんので直接、吸って貰うしか方法はないと思いますが…?」

「いや…普通に水でイインデスガ…」

「左様でしたか…それは気づかず申し訳ありませんでした。」


ミラは水を自分の口に含むと僕の首に両手を絡ませる。

あれ!?これって、何処かで見た気が……?

考えるよりも速く、ミラと僕の唇が交わる……


「〜〜〜ッ!?ングング…!」

「…チュ!……レロレロ!…はむっ!」


唇を離すと、ミラはとても幸せそうな表情をしていたが、その余韻に浸る暇なく扉がノックされた為、何時もの表情に早変わりしていた。


「(すっげぇ、変わり身…)すいません!どうぞ、入って下さい!」

「ふむ…邪魔だったか?」


男性は少し意地悪そうな顔で、女性は何かを察したのか微笑みながら部屋に入り、近くにあった椅子に腰を掛ける。


「本当に、この様な格好で申し訳ありません。」

「何度も言うが、別に此方は構わぬよ…では、自己紹介をするとしようか、俺は『ロイド・ブライトマン』。一応、ここで辺境伯をやっておる。隣は俺の妻の『ナタリア』だ。」

「クジョウ ツカサです。この度は、助けて頂き深く感謝しています。本来なら感謝の品を渡したいのですが、あいにく僕は何も持っていません。何か出来ることがあれば何でもします。」


メニューの中に、何かあるかも知れないが、あれは内緒が良いだろう…厄介な事になりそうだし…


「苗字持ちか…何処かの貴族かも知れぬが…聞いた事がない名前だ…それに例は不要!我が領内に年端もいかぬ少年が大怪我をして倒れていたのなら助けない筈が無かろうて!」

「そうだよ〜♪子供は遠慮したらメッ!だよ〜♪」


2人共、心優しい人の様だ…まぁ、奥さんは『天然』なのだろう……


「して、ツカサよ!何故、あんな場所で倒れていたんだ?あそこは『紅竜煌様』が住まう場所…強力な結界もあり、並大抵の事では入れないだが…?」

「(やっべ〜!誤魔化すしかない!)実は、記憶がないのです…自分が何者なのか…何処で生活してたかさえも…辛うじて、覚えているのは名前だけでして…」


流石に、他の星から来ましたなんて言っても信じてくれないだろう…


「ふむ…記憶喪失か…ならば仕方ないの…」

「えっ…!?そんなに簡単に信じていいんです?」

「まぁ、些細な事ではないだろう…?それに、俺の命を狙って来たとしても、この状況じゃ何もできんし、返り討ちにしてやるよ!」

「…………」


豪快な人だ…

人が良いのもあるんどろうが、自分の力に絶対の自信があるんだろう…そうじゃなきゃ、こんな事、絶対に言えない…


「あなた〜?ツカサが困ってますよ〜?それより〜!『あの話』をしてくださらないかしら〜♪」

「そうだ!忘れておった!ツカサよ!行く当てがないのなら、我々の養子にならないか?」

「………はい!?」


ナンテオッシャイマシタ…?


「ほら〜!また、ツカサが困ってるわよ〜!」

「すまんな!説明が足りなかった…実は、我々には娘がおるんだが、跡取りが居なくてな…最初は、2人で相談し孤児院から養子を迎え入れる考えるもあったんだが、面倒な事に『貴族』としての世間体が悪らしく困っていたのだよ…そこに運良く『ツカサ』が舞い込んできたのだ!これも、何かの『縁』…養子になってくれんか?」

「でも、記憶も無い出生も不明なんですよ??」

「それこそ好都合ではないか?情報操作など幾らでも出来るし、何も解らぬのなら初めから教えればいいしな。」

「私も〜、この歳になって子育てが出来るなんて嬉しいわぁ〜♪」


うん…!若干、1名が斜めの方向に向かってる…


「けど、娘さんがいるんですよね!?何処の『馬の骨か解らない人間』が一緒に暮らすんですよ?心配じゃないんですか?」

「ナタリア、聞いたか!?どうやら、ツカサは『サラ』を娶ってくれるらしいぞ!!この地も孫の代まで安泰になったわ!!!!」

「あらあら〜?どうしましょ〜♪孫も増えるのかしら〜?どうせなら一家でオーケストラを開催ひらきたいわね〜♪」


だから…娶るって言ってませんよ…?

それに、オーケストラって…間違っても、そんなに作りませんから!


「いやいや…娘さんの意見が…」

「んっ…?何を言ってるんだ…?寧ろ、サラから言ってきた事だぞ!?それに、我々が養子に反対したら『駆け落ち』してや……」


バタバタバタ!!!!キキ〜〜〜ッ!!!ガチャ!!バタン!

盛大に扉が開かれると、僕を目掛け、『美少女』がダイブしてきた。


「ヘブシッ!?」


勢いに耐えれる筈もなく、ベットにたおれこむ…


「ツカサ!ツカサ!眼が覚めたのね!?痛いところは無い?大丈夫??」

「サラちゃ〜ん!幾ら心配なのは解るけど、今ので状況は悪化したかもよ〜?」

「はっ!?ごめんね!けど、看病するから任せて!!包帯変える?トイレは!?『お姉ちゃん』が手とり足とり腰取り、24時間年中無休でお世話するから!!!!」


愛が重すぎるんじゃない…?

やっぱり、肉食系だ…


「ふむ…全員、揃ったし再度聞くぞ?我々の『養子』になってくれんか?」

「…けど……」

「えっ!?ツカサ、家族にならないの?何で…?」


その涙を溜めての上目遣い、反則でしょ!?

それに、跨って身を乗り出したら、色々見えるよ?ってか先端、見えてるし!!!


「確か〜?ツカサは私たちに〜♪返せない恩があったわよね〜?」

「(ぐっ…既に『詰み』かぁ…)解りました…『義父さん、義母さん』宜しくお願いします!」

「うむ!」

「はい!ツカサよく出来ましたね〜♪」


義母さんが嬉しそうに僕に抱きつきくが、その豊満な『オパーイ』が顔面を圧迫し、呼吸を妨げる…


「グッ!?ンググッ?ムガムガ…!」


やばい!息が!『オパーイ』に潰されて息がぁ!!


「アン!?ダメよ♪そんなに動いたら…!!アッ!刺激が…!」

「お母さん!何やってるの!?羨ましい…じゃなくてツカサが苦しがってるわ!!」

「ハッハッハッ!母さんも息子が出来て嬉しいのだろうよ!」

「……奥様…私にも変わって下さい。」


あっ……もう無理…

四者四用の声を聴き、義母さんも下着を着けてないのを確認すると、僕の意識は再度、遠のくのであった…



[神様への報告メモ②]

新しい家族が増えました…けど、この世界の女性は全員、肉食系なのでしょうか?

別の意味で身体が持つか解りません…





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界に召喚されたら竜に憑依された件 @sakuya9737

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ