思わず、涙が出そうになる。それほどの名作。

立派な短編恋愛小説として成立している導入部分で、いきなりグイッと心を持って行かれます。そこから、いったいこの物語はどこに行き着くのだろう? と、気になってしまうのです。
それほどに、序盤で泣ける。

特に、大切な人を失った経験を持つ読者は、かなり感情移入してしまうでしょう。
何故断言できるのかと言いますと、他でもない私自身が、大切な人を亡くしているからです。亡くなった歳も、同じでした。

そして、この物語は、本番である冒険パート……というかファンタジーパートも、充分素晴らしいクオリティを誇っています。
魅力的なキャラクターばかりで、なおかつ、死の危険と隣り合わせの世界。
ここで活きてくるのが、序盤の恋愛パートです。

一度喪失を体験している主人公なだけに、“これ以上誰一人死なせたくない”という想いが、ありありと伝わってきます。読んでいる私も、やはり同じ想いでした。

あなたも、この素晴らしい世界に、飛び込んでみませんか?

その他のおすすめレビュー

初音MkIIIさんの他のおすすめレビュー2