北海道近現代史。超大作社会派ミステリ。

1995年、道東の常紋トンネル付近で発見された死体。
事件とも事故ともとれるが、刑事たちが背景を捜査するうち、
迷宮入り状態の7年前の未解決事件にも繋がっていく。

(作品紹介欄に名前が出ている「飢餓海峡」「砂の器」、
読んでます。飢餓海峡、読んだの昔過ぎて内容ほぼ忘れましたが)

作品自体の始まりは、阪神淡路大震災やオウム事件が起きた年の夏。
しかし関係者の来歴を調べる過程で、明治以降の史実がたくさん出ます。
北海道開拓中に実際にあったタコ部屋労働、囚人道路。
ゴールドラッシュ。戦時中の湧別機雷事故。
全く知らないことばかりでした。

「最近完結した小説」欄で見かけて読み始め。
3~4日、他に何も手につかず、ひたすら読んでました……。
265話、200万字を超える超大作ですが、面白い!
地元選出国会議員の圧力、道警本部や警察庁の介入で、
現場の刑事たちは苦しめられ、一旦は壁にぶち当たりますが。
それでも執念の捜査で、最後の最後には真実を突き止める。
しかし、得られた真実には苦いものもあり……。

本当に面白かったです!
本橋と竹下の頭脳対決が好きでした。