散歩
早朝、私が日課の散歩をしていると、数メートル先に見覚えのある人を見つけた。世話になっているゼミの教授だ。ジャージ姿だし散歩だろう。まだ時刻は6時をまわったところで、大学の一時間目までは3時間近くある。
私の方が歩みが速かったので徐々に距離は縮んでいき。交差点にさしかかるころにはすぐ後ろまで追いついていた。しかし教授はまだ気づかない、イヤホンで音楽を聴いている。周りの音を拾えないのは危険なことだ、その気になれば、無防備な背中を蹴り飛ばして目前の交差点で事故を起こすことだってできる。なんて思っていたら教授は交差点を渡らずに右折してしまった。私も日課のコースから外れる。そのまま跡をつける。
教授は少し歩いてまた右折し、広場へと進んでいった。あの広場は昔利用したことがある。私は合点した。きっとこの先の噴水に用があるに違いない。わざわざ迂回し、身をかがめて茂みから噴水場所を見た。やはり教授は待ち合わせをしていたようだ、さらに人が集まる。その中の一人が、ラジカセを持ち、噴水脇のベンチにおいてからスイッチを入れた。
私も小学校の夏休みには毎朝やってたな、ラジオ体操。
ショートショート jony @jony
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ショートショートの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます