第10詩「明日公園で」

「明日公園で」きみにあえたらなにをはなそう?

ぼくはいつまでも次の言葉をさがしてまよっていたいな

それでそらにうかぶ赤い風船のゆくえをどこまでも見ていよう

きみとふたり「明日公園で」いつまでもそうしていたい


陽だまりの中のねむそうな猫みたいに

ゆるゆるときみと陽だまりの中で寄り添っていたいよ


明日公園できみにあえるならぼくはそれ以上を望まないのさ


きみの好きな犬をつれてふたり散歩の途中

おだやかなきみと温いベンチで寄り添うのも悪くないね


明日公園できみにあえるならぼくはそれ以上を望まないのさ

世界でいちばん幸せだとおもえたあの時間


明日公園できみとあえたら、


「明日公園で」きみにあえたらなにをはなそう?

ぼくはいつまでもありがとうをいえず困っているのかな

きっときみはなにも言わないでただぼくの言葉をまっている

きみとふたり「明日公園で」いつまでもそうしていたい


夕焼けの下で微笑んでいるきみの背中に

バイバイとそっとささやきながら寄り添っていたいよ


明日公園できみにあえるならぼくはそれ以上を望まないのさ

世界でいちばん幸せだとおもえたあの時間


明日公園できみとあえたら、


「うまく言葉にできないけれどきみとおわかれを」したい


明日公園できみとあえたら、


「きっともうかなわないけれどきみとやくそくを」したい


明日公園できみとあえたら。


今度はぼくから「明日公園で」ときみに手を振るよ

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言の葉綴り 穏桐 綾 @Joe

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