エピローグ
アサヤは明け方になつて帰宅した。
家にもどったアサヤを温かな味噌汁が待っていた。
「あなた、朝から散歩ですか。まさかジョギングでないでしょうね」
夫の身を案じる妻が、のんびりとした声をかける。
栃木テレビは鹿沼のホームレス殺人事件が解決したことを報じている。路上で通学中の女子生徒に切りつけた通り魔が、ホームレスの事件も自白したというのだ。関西弁の男だと言う。
市民はしらない。
このつかの間の鹿沼の平和がタカコや三津夫、番場、おおくの若者の必死の戦いが支えてくれたことを。
皐隼人は、夏子をモデルにした絵で、秋の全日本大学美術展で特選を獲得した。
その記念『第一回皐隼人個展』が鹿沼の文化交流館で開かれようとしていた。
それを街のひとはまだしらない。
終了
この物語はフィクションです。作中の事件、学校、人物、その他諸々の固有名詞は現実に有りますが、モデルを探さないでください。すべて現実とは関わり合いがありません。
ムンク「浜辺の少女」は吸血鬼だよ 麻屋与志夫 @onime_001
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