ヒロイン、ヒーローの名前、作品タイトルに込められた意味。

クリスマスイヴの前夜、主人公のユキちゃんが、人助けをしてトラックに跳ねられるという、衝撃的な一話から始まります。しかも、目を覚ますと十二月の始め、つまり過去にタイムスリップしてしまう、ファンタジ-を織り込んだ作品となっています。

物語はユキちゃん、セツ君、楓君と、主にこの三人で進んで行きます。切なげな雰囲気でスタートする作品ですが、ほのぼのしたり、つい噴き出してしまうようなギャグも楽しめたりします。

作者さんはイラストを描くことも趣味ということで、他サイトにてとても可愛らしいキャラが活き活きと喋っているのを、私も拝見させていただいております。カクヨムのように文字のみの形式であっても、登場人物の容姿などを想像しやすく、イラストに頼り切らない作者さんの文章力がうかがえます。特に色彩の表現がとても繊細で女性らしく、私個人としては、セツ君の「チョコレート色の瞳」がお気に入りです。茶色と直接的に表すのではなく、セツ君の持つ可愛らしさや優しさまでも考慮しているところは流石。

恋愛小説ではありますが、登場人物たちの意外な関係性から生まれる謎や、ヒューマンドラマも見所です。まるでクリスマスプレゼントのように、開けてびっくり。読むほどに深みが増し、幸せな気分になれます。そしてエピローグを読み終えたとき、作品タイトルに込められた深い意味に気づくことができます。

以前から愛読させてもらっている身として、ぜひこのユキイロノセカイを、多くの方に読んで頂きたいと思います。長文失礼致しました。