面白い。森見調の文体から紡ぎ出される、すごく愉快でちょっとホラーな大学生活。「白い手」も今のところは無害であり、この先ホラーから恋愛へと発展してゆく様が大変楽しみである。
~03ホラーな状況にもかかわらず全体的に湿り気のないあっけらかんとした雰囲気の作風が好ましいです。この先どう恋愛に発展していくのか?続きが気になるところであります。
8畳和室に置かれた巨大なロココ調ソファーの下からある日、白い腕が覗く、という官能的な出だしで始まる本作。古都の和室という舞台設定にロココ調ソファーとハート型のイアリングというアシンメトリーな小道具の対比や、謎の女性(?)との幻惑的な邂逅ものであるのに、青春キャラクター物のような人物描写が魅力的です。果たして「ソファーの君」は、その全貌を明らかにする時が来るのでしょうか。続きが楽しみな作品です。