生き生きとした登場人物と、謎深き世界

 のっけから「自動車」「タバコ」と「光神」「騎士」「城」という異なったイメージの語彙で、「これは、どういう世界なんだろう」という想像力を刺激されます。
 その世界で動きだす主人公は、陽気な酒場『踊る小豚亭』でピアノを弾く少女フィラ・ラピズラリ。対するは美貌の青年領主にして聖騎士、ジュリアン・レイ。
 フィラの過去の謎、世界の謎、それらが少しずつ読者に明かされるに従い、フィラとジュリアンの関係も変化してゆきます。
 フィラとジュリアンはもちろん、周囲の人物たちもそれぞれ魅力的。今のところ、ダスト・アズラエル嬢がとても気になっております(第三話File-6まで読んだ感想)