記憶売り
梅原珠乃
最初の記憶
『記憶、売ります』
女性が書いたのだろうか、丸みを帯びた勢いのある字が錆びた看板に鎮座している。多くの人ならば胡散臭さに眉を顰め、素通りするようなものである。彼女であっても、いつもならばそうであった。けれど、もう我儘も怯えも捨てなければならない。
たとえインターフォンを押した先がどんな地獄であったとしても。
どんな後悔する出来事があったとしても、すべては、我が祖母のため。我が母のため。
ええい、ままよ。と浅野美月はインターフォンを押した。
記憶売り 梅原珠乃 @R_pearl
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