第2章 亡華の月

この神社の離れには二つの部屋があり、襖によって仕切られている。その部屋の二つ目、奥の部屋で、朱鷺は身辺の整理をしていた。

亡華の月……それは亡くなった先祖を祭り、弔うための儀式という名目のもと、村を囲むようにソビえる山々をなぞるようにして張られている、結界の強化を行う。

亡華の月は一年の中で最も霊界と通じやすくまた妖の繁殖期にあたるため、結界の効き目が聞きづらくなり、社神子にとってこの月は一年で最も重要な月となっていた。

特に青い満月が登る、青華セイカは、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

桃花鳥 朔月 更夜 @kouya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ