序章

いつかの覚悟。




紅い髪の彼女はいつでも自由だった。


誰よりも美しく、誰よりも潔く、誰よりも気高く。


よく笑い、よく怒り、そして泣くことはほとんどなく。


一人で立つくせに誰かを支え、一人で進むくせに誰かを庇い。



「なぁ、ミカノ」



自分の声が彼女に届くかは分からないけれど。



「やっと、オレが生まれた意味が分かったんだ」



どうか。

どうか、ただの一度でいいんだ。



「なぁ、ミカノ」



お前と一緒に歩かせてほしい。



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其は我を残月と見る 逢月伽世 @kase

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