没0201から0293まで

Num.0201 ID0593

『喋らせるのに金を使う時代から黙らせるのに金を使う時代へ』『沈黙の対価』『ゆすりたかりの口に紙幣を詰めて抹殺する10の方法』『口止論』『ケチのつけ方、つけられ方』『黙っているだけで金が振り込まれるようになるまで。その戦いの記録』本屋に作られたコーナーに陣取る何か。


Num.0202 ID0595

これは意思表示だと捉えてみたらどうか。一切の例外を認めないという。融通が利かないというのは見る者によっては好意的に受け止められる。それは贔屓をしないという事なのだ。誰をも規則に準じて処理し規則を破る者を認めない。それが自分でも身内でも金持ちでも例外は有り得ない。


Num.0203 ID0603

これまでの規則に触れるものが現れた時に規則通りに対応し注意や警告を行うと必ず文句を言われる。規則の方が間違っている。細かい事をグダグダ言うな。注目された途端規則を持ち出すな。だがその規則を見逃し許してきたのは君達全員だ。君達こそ注目された途端にグダグダ吐かすな。


Num.0204 ID0612

自分の選択が正しかったのかなんて訊くな。過去に遡ってやり直せるとでも思っているのか。答えなんて詰まるところ正しいか間違いかだろ。そしてそれは自分を慰めたいだけの質問と答えでしかない。悲劇の主人公ぶりたい奴が他人様の善意に甘え自慰しつつ慰めてと懇願しているだけだ。


Num.0205 ID0617

もし今ここで血が一滴、必要だとしたらどうやって出血するか。道具はなく自力で出さなければならない。指を折り曲げて噛み血を出すのはかなり難しい。歯は刃程鋭くないのでそうそう皮膚を裂かない。鼻の内壁や皮膚を引っ掻くか。爪に切れ込みを入れて剥ぐのもいい。やってみるか。


Num.0206 ID0620

時に寛容は慎みを失わせ恥を受け入れろと強要される。多様化は高度な寛容によって支えられるがその許しは恥と外聞を縛り付けた縄を弛める。ただひたすらに懐を抉じ開けられただけのそれは無償の許しを乞う猛々しい世界の到来に恐れ慄く。腹の底まで押し込まれた傲慢が吐き出せない。


Num.0207 ID0622

ツイッター連動大型企画、○○に小銭を掴ませて競合他社を屠ろうキャンペーン第一弾は大成功に終わりました。続いて飲食店地上げキャンペーン、更に冷蔵庫キャンペーン第二弾として凍死キャンペーン、他にも商店街の恨み果たしますキャンペーン等が目白押し。是非ご参加下さい。


Num.0208 ID0636

何言ってんの? いやだから何言ってんの? うんそうじゃなくて何言ってんの? 違う違うって何言ってんの? それはそれとしてね何言ってんの? それは承知の上で何言ってんの? そこら辺の事全部引っ括めて何言ってんの? もっとお前の人格に根差した問題として何言ってんの?


Num.0209 ID0643

「という事で今回の罰ゲームは『右手を動かす時、その右手で何をするつもりなのか言い続けないといけない』です。これはなかなかキツイですねー。期限は24時間。では早速スタート!」「ジージージィージイーシュイーンシュイーンシュインーシュインオナオナオナオナ」「死ね!」


Num.0210 ID0644

人間探訪。本日は、でんぐり返しで地球一周を目標にでんぐり返っていたらいつの間にかカトマンズででんぐり返されていた男、米村伝繰さんをお迎えして天動説地動説に代わる俺動説についてお訊きして参りました。でんぐり返し返し返しには驚きましたね。さて、次回のお客様は……。


Num.0211 ID0671

「走れメロス? あんなもん駄作中の駄作だろ。友情を主題にするのは結構な事だ。だがあの王様は何だ? 結局アイツは酸っぱいブドウ、手が届かないものに憧れただけ。それが手に入るとなればコロッと寝返る付和雷同の操り人形。虐殺しろよ。妹の村を焼き払えよ。メロスに与えろよ」


Num.0212 ID0675

昭和の作品に出てくる場末の定食屋……居酒屋でもない食い物屋で呑んだ暮れ、気休め程度に置いてある14型くらいのテレビに文句言ってる親父……が、今の時代は全世界に向けて呟いているだけの事だったりする。頭っから真面目に取り合うのがお門違いなんだよ。なあ、酔いどれ亡者共。


Num.0213 ID0680

これは耳栓。耳に押し込んで外部からの音を遮断できる。これは鼻栓。鼻に押し込んで外部からの匂いを遮断できる。これは目栓。目に押し込んで外部からの光を遮断できる。これは口栓。口に押し込んで外部からの栄養を遮断できる。首から上のはここら辺がメインかな。下の方も見る?


Num.0214 ID0681

喩え、若者がどんなに無知で馬鹿で愚かであっても物語の中でそうである必要はない。それを望んでいるのは所詮作者。作者という読み手にも物語にもどうでもいい存在が馬鹿げた決まりを作って若者を老人を集団を虚仮にする。或いは書くのが面倒臭いだけか。どちらが虚仮だというのか。


Num.0215 ID0682

6面体のサイコロを放り投げても数字は6種類しか出ない。1が出る確率は6分の1か。それとも予め決まった数字が出ているのだろうか。ならば1分の1で特定の数字が出るのだろう。運命が決まっているのであれば確率など存在しない筈なのだが人生を賭してもそこまで徹底できるか。


Num.0216 ID0692

私の作品では何故登場人物全員が目を閉じているのか。その何故に解答するのが君達の役目。物語に対し尤もらしい世界観を用意する。物語をいくら読んでも決して辿り着く事のない解答。その解答を自らの思考により論理を組み立て整合性を精査し矛盾を排除し面白くして産み出すといい。


Num.0217 ID0705

『オススメ。コレのがアレより面白い』私は王様でも成功者でもない。『私は面白いと感じた』は『だから何?』で終わる。虫の戯言などどうでもいいどころか雑音。私が面白いと感じてもそこに価値はない。だから比較対象と称して他の作品の力を借りる。けれど価値のなさは変わらない。


Num.0218 ID0706

違う。そうじゃない。初めからこれが狙いだったんだ。結果的にスクイズが選ばれただけで狙いは俺に処理させる事。俺は……安心した。あろう事かあの場面で安心した。目の前に転がってきて安心した。安心して気を抜いたんだ……。奴が打ったのはボールではなく、俺のその気持ち……!


Num.0219 ID0710

王よ。貴方にはとてつもない衝撃的な事だと思います。ですが、ですが私には本当に心の底からどうでもいい事です。運命は結果的に貴方に父を殺させ母を娶らせた……から何? 国を救った事に変わりはない。そして今ここに人の言葉を絶対の域まで高めた貴方は神と等しい程に誇り高い。


Num.0220 ID0711

『運命は予め決まっているので、アナタは当社の保険には加入できません』『運命は予め決まっているので、アナタは不採用です』運命が予め決まっていると考えるという事はこういう事。先読みされて人生を制限される。否定しても証明できない以上、説得は不可能。水掛け論になるだけ。


Num.0221 ID0713

あの日。俺達は互いの全財産を賭けて勝負していた。最初は俺が優勢だったが奴が俺の捨てたドラえもんで四暗刻をロン。俺も負けじと奴の王将をチェックメイト。そして大詰め。手札の尽きた奴を見て俺は勝利を確信した。だが奴はサイコロを踏み潰し六面全部で21を出し俺は負けた。


Num.0222 ID0716

山なし落ちなし意味なし。かつてそういう創作がこの国にはあった。今では作者と読者の力量が上がり何にでも意味を持たせ、或いは持たせられるようになってしまいめっきり廃れてしまったがそれでもこの創作を続けている者はいる。その創作の目指すところは虚無主義の教典を創る事。


Num.0223 ID0721

皆さん仲が良くていらっしゃる。昔、派閥を作るという事は『それ以外』を作るという事。という事を書いたような気がする。内と外を作ったり線を引いたりする行為だ。どういう訳かそれがもたらす利益ばかりが目について『害』はあまり重要視されない。終着は選民思想やカルト教団か。


Num.0224 ID0731

「君らのそのツイッターアイコン、許可は? 著作権料払ってるの? タダで仕事させてるのと何が違うの? 誰かに車を作らせてタダで乗るのも、誰かの作った車にタダ乗りするのも、誰かから不当に奪う行為でしょ。タダで依頼するのを批難するならまずは自分のタダ乗りを改めなよ」


Num.0225 ID0744

薬指の背に小指を引っ掛ける。そして握り込むように力を込める。同様に人差し指の背に親指を引っ掛ける。こちらも握り込むように力を込める。すると骨が鳴る。まあ音のメカニズムは解明されていないそうだがそれはそれ。両方同時にやってバキバキ鳴らすのもいい。足の指がすっきりする。


Num.0226 ID0747

お国に貼り付けられた番号だけでは飽き足らず、訳の分からぬレッテルを、自分にペタペタ貼っていく。肩書き増やすより遥かに容易。資格と違い勉強も試験もいらない。折り紙頂く苦労もない。言ってしまえば即日おっけー。誰でも彼でも言い張れる。ぺたぺたぺたぺたおでこにぺたぺた。


Num.0227 ID0749

お菓子をくれなきゃイタズラするぞ。ダンボールハウスを燃すぞ。ほらお菓子出せよ。いいのいいの? この寒空の下、風除けが無くなってもいいの? 何これ? 氷砂糖? こんなもんお菓子じゃないよ。とりあえず踏み砕いておくね。ほらほらお菓子。地面舐めてないでお菓子よこせよ。


Num.0228 ID0758

食いまくって腹一杯になったら腹が空くまではもう食いたくないだろ。食欲では想像できるのに性欲では想像できない辺りどんだけ飢えてんのか……という以前にそもそも飯も食った事ないんじゃないかって疑うぐらいの想像力だわ。欲求なく細胞分裂とかで繁殖できる生命体だろ。お前。


Num.0229 ID0776

「紙を噛んでた」ヤギのようなヒゲの男はそう答えた。ここは初冬の廃れた商店街。冷たい風が吹くと俺達の座っているベンチにコンビニのビニール袋が飛んできた。「スーパーが出来て御役御免って事だ」そう言って寂しく笑う男に俺は尋ねた。「偶然だったのか必然だったのかどっちだ?」


Num.0230 ID0782

五本の指。時には肌を這うように。時には肌を滑るように。私の身体に触れる。気持ち悪い。その感触も。その吐息も。その視線も。その笑いも。身の毛がよだつよう。それでも必死で。頭の中に留める。息を整え。顔を変えず。震えを抑え。心を殺し。ただ黙っている。毎日。毎日。毎日。毎日。 


Num.0231 ID0802

どうでもよかろーもん。とは思いつつこだわりはあるらしい。タグを何処に配置するか。頭か途中かそれとも最後か。数字はアラビア数字か漢字か。アラビア数字なら半角か全角か。括弧の使い方。これらは読む側に影響するのでまた違うが、どうにも138文字以下で呟くのが気持ち悪い。


Num.0232 ID0809

わたしはあなたの友達ではない。わたしはあなたの知人でもない。わたしは数字の1でしかない。1は指先ひとつで簡単に消せる。それだけのものでそれ以上である必要すらなくそうはなれない。わたしはただの虚像。霧に映し出された1の影。実体もなく意味もなく理由もなく0に等しい。


Num.0233 ID0812

恐ろしい事が起きた。前代未聞、空前絶後の惨憺だ。きっとこれが絶望というものなのだろう。小説は長い文章を書く。途中で力尽きる事も諦める事もあるだろう。長い文章で辻褄が合わなくなったりただ飽きる事もある。だが僅か131文字なのに途中で止まった文章が10も溜まるとは。


Num.0234 ID0824

猫が額の上でサンバを踊るぶどうを踏む娘達のリズムに激怒しアルプスの頂上に設置された小槍アンテナが反応し土星を覆い尽くす大量のたたみイワシがうりぼうと一緒にお好み焼きの中で渡英しメトロに乗って西洋かぶれのシルクハットに蝶ネクタイの金の城にデリバリーされて寝転んだ。


Num.0235 ID0829

いいんだよ。登場人物なんて作者の思い通りに動くんだから。背景でくしゃみしている奴なんてこの世界にはいないんだよ。全員右へ倣えと命じりゃ従うんだよ。聞こえなかったから動かなかった奴とかいないんだよ。端役や群衆は馬鹿なんじゃなくて元々思考能力を与えられてないんだよ。


Num.0236 ID0831

瞳の奥に隠した想い。ですか。なるほど。それ、大福ですよね。もーお腹空いてお腹空いてお腹と背中がくっつきそうで背中合わせで柔軟体操しちゃってるから骨抜きなシャチホコになる前にその大福をどうか僕に下さりませ。鬼退治になら付いて行きますから三丁目の高藤さんが。きっと。


Num.0237 ID0836

今日に変わった時に昨日は明日になった。時計の針が巻き戻る事はない。だけどそれはあくまで条件に依る話。それを変えれば幾らでも巻き戻る。この糸を手繰り寄せたのは自分の意志ではなく糸の先にあるものに命じられたからだった。待ち受けるものに命じられただけの自我を切り離す。


Num.0238 ID0842

新しい事を思い付かなくなり同じ事ばかりをぐるぐると考え続けている。これは既に考えた。いずれ同じ事をまた考える。その時は俺の役目はお前でお前の役目は俺かもしれない。だがどんなに時代が変わろうと立場が変わろうと変わらないものがある。結局、新しい事は思い付いていない。


Num.0239 ID0843

昔々、ある所に犬と鬼がいました。鬼が川へ洗濯に行くと上流から巨大な雉が流れてきました。それを持ち帰り金棒で真っ二つにすると中からきびだんごが出てきました。きびだんごは成長し桃退治に向かいました。道中、猿とお爺さんと桃太郎を包丁で家来にし婆ヶ島で桃を倒しました。


Num.0240 ID0844

年賀状は送る時代から掲げる時代へ遂に登場した掲げる年賀状。これはネットワーク上に一枚年賀状の画像をアップロードしておけば後は勝手にソーシャルネットワークサービスが誘導してくれるというもの。特定の人には違うものを用意したいのであれば10枚まで掲げる事ができる。


Num.0241 ID0852

なぜどうしてと自問自答を繰り返し、出したたったひとつの正解を否定され、ぼくは考えるのをやめた。きっとぼくでは及ばない、そんな答えを持っているのだろう。だけどそれは、ぼくにとっては受け入れ難い現実で、まるで逆さまに落ち続けるよう。感じるのもやめたら楽になるのかな。


Num.0242 ID0856

今の世の中、有名な物が起源なのだ。最も広まった物がオリジナルなのだ。それが正しいのだ。今新しい物が創られて過去にそれがあったなら過去の物は今からの盗作だ。だって私は知らなかった。そして初めて知った。だから偽物。世界は起点から過去と未来に向かって創られているのだ。


Num.0243 ID0857

見ると負けるから見ないとか意味分かんねー事言ってんなよ。そんなくだらねー事言ってないでチケット買えや。見なくていいから。買ってから吐かせ。四の五の吐かしてるけどさ、テメーのおぜぜが減っちゃうのが悲しくて悲しくて仕方ないだけだろ。ま、球団なんて応援してないもんね。


Num.0244 ID0868

ぱぽぺぱ。ぱぽぺぱぺぷぽ。ほぽぱぴぷぺぽぱぴぷぱぴぽぷぽぷぽぽぷぺぴんぴぱぺぱぱぱぱぱぽぷぽぽぴぱぷ。ぽぺぽぽぷぽぷぽぽぽぽぱぱぱぱぴぱぴぺぴぷぽぺぷ。ぴぴぷぽぴぽぴぴぱぷぷぽぷぴぱぴぽぽぱぱぽぷぴぺーぽんぷぱんぽぴぺぱぷぺぴぽぷぱぽぺぷ。ぱぷんぱぽぱぴぱぺん。


Num.0245 ID0895

正直よくそこまで他人の事に関心を持てると思う。今がいつでも街がどうでも宗教がああでも恋人がこうでもどうでもいいだろうに。むしろ暦通りに動いてくれるんだからとても有り難いとすら思う。だから応援するよ。つーか爆発とかされたらそっちのが迷惑だからそれこそ勘弁してくれ。


Num.0246 ID0900

今は世界を相手に商売する時代。という事は隣街の店どころか地球の反対側の店も商売敵に成り得るって事だ。あんたのように村の中で商売して庄屋に年貢を納めていた時代とは違う。まさに井の中の蛙。当時は外の世界に出て行こうともせず今も持ち上げてくれる人に囲まれてまだ井の中か。


Num.0247 ID0912

何を仰るオシャカ様。いわしの頭も信心から。信じる者は救われる。セリヌンティウスを質草に故郷行きの切符を購入。と申します。幽霊の正体見たり枯れオバマ。怖い怖いと思っていればコインロッカーから異臭が漂う。思い込んだら試練の道をプラシーボで大学生気分の浪人生。ってね。


Num.0248 ID0914

フォローされる。見限られる。フォローされる。挨拶される。見限られる。話し掛けられる。見限られる。その繰り返し。となると見限る為にフォローを行うと推測される。それが私の役割なのだろう。これは頑張って見損なってもらわねばなるまい。いや頑張らずとも今のままでいいのか。


Num.0249 ID0925

言葉など伝わればどう書こうが構わない。その意見を否定するつもりはない。だが君の文章は既に伝わって来ない。行間には、この文章を書いた人は他人様に読んでもらう気はないのだろう、とか、自分の美的感覚を他人様に押し付ける独りよがりの自慰猿なんだろう、とかぽぽぷぽ°ぽぺ。


Num.0250 ID0926

つもりつもりで積もり積もったおおつごもり。つごもり毎につもりで済ませ積もらせてきたつもりの積もり。おおつごもりにもひとつ積もり積もったつもりが雪崩を起こす。そんなつもりはなかったけれど今まであまりに積もり過ぎた。つもりと積もりが戦ってつもりが勝ったつもりだった。


Num.0251 ID0929

皆が同じ方向を向いた社会主義創作の世界。そこでは指導者の下、皆が同じ作品を創っていた。厳しい文法の中で指導者の創った草案から決められた振り幅の中で物語を展開し結末までを描く。奇抜や不条理にも規定がありその枠を超えてはならない。足並みを乱す事など許されないのだ。


Num.0252 ID0942

とあるラジオDJが言った。「言葉が人を殺すものであるのならば言葉が人を救う事もできるはずだ。故に私は語り続ける。誰かを殺し。誰かを救う為に」……言葉には力がある。言葉はただの音波ではない。言葉には意思が伴う。そして人が言葉を選ぶように言葉も語るに相応しい人を選ぶ。


Num.0253 ID0948

私は予言者。予知の力により君達の未来を予言しよう。「いつか何かが起きる」以上だ。んっ。何だねその不満顔は。断っておくが私は予言者であり詩人ではない。雰囲気など知った事か。ならば「今から500年以内に畏怖の化身が現れ人類を深き奈落へ突き落とすだろう」これで満足か。


Num.0254 ID0973

二重の絶望が私を支配していた。何がなんだか分からない。だがなんとかしなければ先はない。思えば運命とは唐突に壁を用意する。そうそう準備できない。それでも立ち向かうしかない。目の前に現れた壁画から意思を汲み取る。そして私が描き出した超現実を解する次の人に愕然とする。


Num.0255 ID0983

この独立したひとつひとつの物語が全体を通して読むとひとつの大きな物語を形成しているのだー。まさかここまで紆余曲折して道が繋がっているとは思わないでしょう。ですがひとつひとつの行間を読めば物語の繋がりが分かるはずです。いわば橋です。道はもう造ったので橋は任せます。


Num.0256 ID0987

その目は心の奥底まで見通し。その口は暗き衝動を呼び起こす。その手は命を掴み。その足は悪より速く走る。微笑みは悪意を目覚めさせ。言葉は理性を砕く。全てを歪ませる引力を持ち。華奢な体は真理の重さ。軽蔑するほど美しく。忌避するほど穢れ無い。その少女の住まう檻こそ……。


Num.0257 ID0989

空から降る天使達の涙をマイウイングが斬り裂いて走る。フロントガラスに突き刺さり命を散らす零れたばかりの想いに振り向きもせず俺はハイウェイを飛ばす。「すまないな天使達。お前達の涙を笑顔に変えている暇はないんだ」そう呟きサイドボードの葛餅を見る。「ふるふるしてるぜ」


Num.0258 ID0995

科学の進歩によって死ぬ事の当然が稀薄になり死なぬ事の当然が蔓延した時、人の魂を選別するものがきっと現れる。それは個人から蔓延した当然を奪い取り老化と死を与える事だろう。だがそれがどんな姿を採るかは分からない。金かもしれない。法かもしれない。存外、猫かもしれない。


Num.0259 ID1018

サワークリームオニオン味って食べた事がない。でも時々見かける。どんな味だろう。美味しいのかな。食べてみようかな。なんで食べた事がないのかな。たまたまだろうな。とりあえず買ってみよう。さて食べてみようかな。あれ。これ。……チーズが入ってる。……食べられないよ;;


Num.0260 ID1035

自分の暴力を正当化しようとしているようにしか見えない。何故なら愛も敬意も見えない。どれくらい好きかなんて伝わって来ない。君の人格を知り尽くして敢えて厳しい言葉を使っている。なんて解る訳はない。ここは切り取られた言葉と人格でやり取りをする場所。行間なんてものはない。


Num.0261 ID1065

『職場で皿にラップをかけて使いその皿を洗わず棚に戻す行為』は置いておいて。では『職場で棚から皿を出してテーブルの上に置いたけど外に食べに行くことになって使わない』ならその皿は洗った方がいいのか。洗わなくていいのか。洗ったら潔癖か。洗わなかったら汚いのか。どっち?


Num.0262 ID1067

坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いて調子に乗った坊主が上手に屏風の上部にジョーズが坊主の臀部に噛み付く絵も描いたら上司の気丈なジョージは坊主に屏風のジョーズを上手に丈夫なロープで縛れとジョークを言い坊主は屏風の上部のジョーズに上手に丈夫なロープの絵を描き足した。


Num.0263 ID1072

日和見主義の二枚舌。減点だけが生き甲斐。選手が不振で苦しんでいる時は迷わず中傷する。引退させ刑務所か自殺まで追い込みそのニュースに対して何かしらの意見を宣う時が至上の喜びでありその意見を考えている時がまさに恍惚。その瞬間を今や遅しと待ち望んでいる。それがファン。


Num.0264 ID1081

誰かが「あ」と言えば誰かが「い」と言って誰かが「う」と言えば誰かが「お」と言う。すると「どうして『え』と言わないんだ」と言う者、自分から始めたいから「あ」と言う者、「ん」と言って終わらせようとする者、逆から始めたい者、等々現れる。つまり誰かが「あ」と言ったのさ。


Num.0265 ID1092

イザナミ。原因不明の死を表す言葉。日本神話のイザナミの言葉に由来する。近年都内で原因不明の死が増えている。至る所で人が死ぬ。イザナギ。原因不明の生誕を表す言葉。日本神話のイザナギの言葉に由来する。近年都内で原因不明の生誕が増えている。至る所から人が湧き出てくる。


Num.0266 ID1093

「チューリング博士の総回診です」やあ。気分はどうだい。十円玉は銅だい。面と見せかけて胴からの喉輪。失敬失敬湿気ったちっけったっ。はい俺の勝ち。弱いなー。そんなにすぐ酔っ払ったらウイスキーボンボンでコロコロ花と夢ちゃうぞー。ところで最近、電気狸はどら焼き食べてる?


Num.0267 ID1101

1時丁度にツイートされたツイノベのひと文字目。2時丁度にツイートされたツイノベの2文字目。3時の3文字目と拾っていって23時の23文字目までを繋ぎ合わせ最後に0時の丸を句点として用いる事でこの事件の真相が明かされるんですよ。早速やってみましょう。どれがいいかな。


Num.0268 ID1102

何故生きているのか。それは死にたくないからだとしても当の昔に死んでいる筈の命である。死に抗うのを止めたのにまだ生きているという事は生きるも死ぬも意志など重要ではないのだ。そんなものは無くても人は生きて死ぬ。愚か者がただ生きているだけの生き方を否定するが差は無い。


Num.0269 ID1103

このハッシュタグとスペースを含めて9文字使うので自由に使えるのは131文字。という訳で1月31日がツイノベデーと主張する九文字派とスペースは前後に必要だから合計10文字で本文は130文字。つまり1月30日こそツイノベデーと主張する十文字派の争いなどないのだった。


Num.0270 ID1112

『人間は間違える』『審判は間違えない』『間違えないのは神である』『審判は人間ではなく神である』『しかし審判は人間である』『審判は人間を保存し尚且つ人間を否定した存在である』『審判はアウフヘーベンである』『つまり審判はスーパーサイヤ人ゴッドと同質の存在である』


Num.0271 ID1115

アナタは参加者全員の寿命を設定します。1日単位で設定し1度設定した寿命は1日経つまで変更できません。寿命が尽きた参加者は首に装着した輪が締まり死にます。アナタ以外の参加者は、寿命を設定している者がいる事、設定者を殺せば寿命の設定は解除される事、を知っています。


Num.0272 ID1116

『アナタのツイノベを完全添削指導! ご存知! ツイノベ先生!』「さあ今回もツイノベ先生がみんなのツイノベを1行にしちゃおうかな」「お悩み相談ですよ」「今回のお悩みはなーにかな?」「タピオカが怖くてツイノベが書けません。どうしましょう?」「その理由をツイノベろ!」


Num.0273 ID1117

「さあ今回もツイノベ先生がみんなのツイノベをひと言にしちゃおうかな」「まとめすぎです」「今回もお悩み相談かな?」「ツイノベが書きたいのですがハッシュタグに使われるあのシャープにはトラウマがありどうしても入力できません。どうしたらいいですか?」「井で代用したら?」


Num.0274 ID1121

愛などない。あるのは常に行為。行動。その行いを面倒がり拒否する者がありもしない幻想を創り上げ何もしない自分を肯定している。与えるのは愛。見返りに行動で奉仕しろと戯言を吐かす。ありもしないものと現象を交換しようとする。そして今、私の愛は私の現象となり世に放たれる。


Num.0275 ID1122

友情教。サブカルチャーから発生した新興宗教。主に学園ジュブナイル作品を教典とする。仲間とそれ以外を明確に作り出し友情を第一に考えそれに従わない者は排斥する。考え方や価値観の違いは認めず共存を否定する。それの違う者は即ち敵、異教徒と認識し集団による暴力で殺害する。


Num.0276 ID1126

「なんだまたこの手の『ニセモノ』か」そう思ったのは私だけではない筈だ。知れば知る程に思い描いた気高さは消えその程度かと虚しくなる。いつも通り。他と同じ。もしかしたらニセモノにはニセモノしか見付けられないのかもしれない。だがそれでも世界を眺めホンモノを探し続ける。


Num.0277 ID1141

ヤギさんの家に手紙が届きました。その手紙をヤギさん美味しく頂きました。ハムとタマゴ、それに手紙をパンに挟んでむしゃむしゃ食べました。でも手紙の内容が解らないからヤギさん差出人に手紙を出す事にしました。数日後、また手紙が届きました。ヤギさんその手紙を燃やしました。


Num.0278 ID1143

それと同時にこの世界で命を奪わなくても生きられるようにする試みがありそれはまさに今、救済を実行したのかもしれない。だが彼が同時に実行したせいで救済は失敗に終わった。彼は世界には自分だけしかいないと疑わなかった。それが問題だ。他者の可能性を否定し己が絶望を強制した。


Num.0279 ID1168

「土曜の夜のお楽しみ、ザ・ギロチンショー。さあ今夜首を落とされるのはー、コイツらだー。まずは殺人9件! その残忍な犯行は人間の解体業者ッ! 日本中の視線を小さな村に釘付けにしたチョンギリの悪魔! バラバラプロフェッショナルーゥ! 高枝切挟巳ーッ! 38歳ッ!」


Num.0280 ID1170

オンラインゲームを題材にした物語。プレイヤー達は異世界で敵の勢力を駆逐し領土を拡げる。しかしこの異世界は創られたゲームの世界ではなく生物の住む別の世界だった。企業はこの世界を侵略する為にオンラインゲームを利用していた。それに気付いた主人公がふたつの世界で戦う。


Num.0281 ID1184

ミートパスタ、避けるチーズ、走りのギンナン、肩ヤキソバ、力うどん、振り駆けごはん、投げット、駆け蕎麦、変わり玉、酒盗、投ふ、投乳、ブロックチョコ、当たり目、ノビル、ドネルケバブ、肘き、フライ、ポップコーン、腰あん、打い福、涅判断子、知恵こしょう、仁捕球り……。


Num.0282 ID1185

月が明るい夜でした。自転車で縁石を走っていますと左側一面のドングリ畑で何か動くような音が聞こえたのです。目を持ってそちらに向けましたら地中海に浮かぶがんもが私のおでこにびたーんっと貼り付きました。あまりの熱さに霜柱を踏み締めていると信号が白になって沢庵が笑い出しました。満月だけに。


Num.0283 ID1188

カワイイ区、カワイ区、アカル区、タノシ区、ヤカマシ区、サワガシ区、ウツクシ区、アセダ区、ツユダ区。フリップ芸みたいになってきた。区の名前を書いて説明したりわちゃわちゃしたり。最後に実際にある区で落とす訳だけど何があるだろ。帰りながら考えるか……ブサイ区がキタ区。


Num.0284 ID1203

雨の降る夜に綺麗な女性が公園で殺された。探偵は刑事に言う。「帰りましょう」「きちんと推理してください」「じゃあ解決しますから死体を見せてください」「頼みますよ」探偵は死体を見る。「やっぱり雨が降ったから殺したんじゃないですか」「何故です?」「水もしたたるいい女」


Num.0285 ID1222

今年の夏は小学校のプールを無人航空機で撮影するのが流行する事でしょう。そしてプールには屋根が付くのです。その屋根の下では教員が小学生を虐待する事でしょう。しかし安心して下さい。増えるのは事故であり事件ではありません。何も起きていません。誰の目にも見えはしません。


Num.0286 ID1247

足を掬うくらいなら素手でもできます。ただ足下を掬うのはスプーンやスコップ程度では少々難しいので油圧ショベルやホイールローダーのような重機の使用が望ましいでしょう。もしくは絨毯の上に誘導して引っ張る、埋めた板の上に誘導して傾ける、等の工夫が必要です。頑張りましょう。


Num.0287 ID1256

「すみません。面白さを落としてしまったのですがどこかで見掛けませんでしたか?「それなら3丁目の空き地に落ちてたよ。でも早く行かないと沼になるよ「ありがとうございます。急いで電柱を輪切りにします「市役所にもうくらげは届けたの?「まだ糸こんにゃくが開通していませんよ


Num.0288 ID1259

視界の端に映る文章は読まれる事はない。識別されたアイコンが拒否を促し沈黙を誘う。気の利く機械が次の機会を取り除く。それもこれも積み重ね。これまで書き散らしたものが招いた孤独。流れの中に有って無いが如くの存在。投票機能を使っても最終結果0票が全てを物語る我が人生。


Num.0289 ID1260

車道、歩道以外に自転車専用の道を作っても右側を走る者は右側を走る。向かい側に渡るのが面倒だからだ。そこでこのクレーンを用意した。自分で移動するのが面倒ならこのクレーンで首根っこ掴んで反対側に移動させてやればいい。えっ? 千切れちゃう? いいじゃんちょっとくらい。


Num.0290 ID1264

ツイノベを1000本以上書いている人のリストに24の名前があった。24人で24000本以上。1000本で止まる訳でもないので既に30000本は超えている事だろう。今も増え続け……はっ!? 24アカウントだからもしかしたらひとりの可能性も……という事は私は誰だ!?


Num.0291 ID1272

人の世が分からなくなったワラジは鉛筆削りに訊いた。するとザッハトルテはその昔ナイアガラの土手でキャッチボールをしていた急須の鼻っ柱をへし折った。月の海でダイエットの為に大豆をひと粒ひと粒箸で掴んでバナナに埋め込む機械仕掛けの蛙は隅っこにいるつむじ風にヤシの木街灯を告げるのだった。


Num.0292 ID1276

弱者は許す権利など所有していない。腹が立ったら他人を攻撃しても良い。腹が立ったら他人を殺しても良い。腹を立たせる者は敵であり敵とは同じ世界に存在できない以上どちらかが消えるしかない。その怒りは正義であり正義とはより良い社会を創る為の基準でありその基準を満たさない人物を殺す事は社会への奉仕なのである。正義の怒りは社会への奉仕であり人類への啓蒙であり統一された倫理であり究極の警察組織なのである。国と正義に奉仕するのだから名を隠す必要はない。模倣やなりすましを防ぐ為にも実名が望ましい。匿名では存在が虚ろになり確固たる正義の主張がぼやけてしまう。それは社会的にも損失となる。より良い社会を実現する為の過程なのだから実名が望ましい。


Num.0293 ID1277

群衆に正義など期待してはいけない。彼等は世界を守ることに必死で正義に関わっている余裕などない。それでも正義が保たれているというのであればそれは君達にとって都合がいいだけの正義だからだ。真に正義を体現している人間などいない。何故か? 正義の実現は人の本質に反するからだ。

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