概要
婚約者を奪われ、嘘つきにされた私を迎えに来たのは、千年生きた妖狐でした
稲荷凛、二十七歳。婚約者を会社の後輩に奪われた。
本当のことを話したのに、嘘つき扱いされたのは凛のほうだった。
酒に沈んでいた凛を、姉が山奥の実家へ連れ戻す。三年前、家を出るときに交わした約束があった。二十七までに自分で相手を見つけられなければ、家の決めた許嫁に嫁ぐ。
座敷で待っていたのは、怖いほど綺麗な男だった。
白い髪。金色に見える目。そして、凛にだけ見える耳と、尾。
「よく来たな、凛」
「……いきなり呼び捨てですか」
「生まれから数えるなら、千年を少し越えた」
子どもの頃から、凛には人ならざるものが見えた。誰にも信じてもらえず、見えないふりを覚えた。
その男だけが、笑わなかった。
「見えていたな」
翌日の昼休み。会社の前に、ド派手な外車が停まる。降りてきたのは、山奥に
本当のことを話したのに、嘘つき扱いされたのは凛のほうだった。
酒に沈んでいた凛を、姉が山奥の実家へ連れ戻す。三年前、家を出るときに交わした約束があった。二十七までに自分で相手を見つけられなければ、家の決めた許嫁に嫁ぐ。
座敷で待っていたのは、怖いほど綺麗な男だった。
白い髪。金色に見える目。そして、凛にだけ見える耳と、尾。
「よく来たな、凛」
「……いきなり呼び捨てですか」
「生まれから数えるなら、千年を少し越えた」
子どもの頃から、凛には人ならざるものが見えた。誰にも信じてもらえず、見えないふりを覚えた。
その男だけが、笑わなかった。
「見えていたな」
翌日の昼休み。会社の前に、ド派手な外車が停まる。降りてきたのは、山奥に
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