概要
証明できないものは、無いのと同じ。——そう信じていた。
神格鑑定局神無瀬支部、地下一階。
国を揺るがす神様の相手で手一杯の役所が、どうしても後回しにする案件——
等級でいえば五級と六級、影響力でいえば「その場かぎり」の、小さな神様
たちの相談を一手に引き受ける窓口がある。通称、小物案件係。
本部志望だった新米鑑定士・数井の信条は「証明できないものは無いのと同じ」。
自販機の下で三十年拾われなかった小銭の神。三か月ずっと「あと一人」で
買えない青年。消しても翌朝には戻ってくる、亡夫の留守番電話。三年で百十件
通報された、誰にも何もしていない男。
一件ずつ書類に載せていくうちに、その信条は、静かに敗れていく。
小さな神様と、それを数える役人の、一年間の業務記録。
国を揺るがす神様の相手で手一杯の役所が、どうしても後回しにする案件——
等級でいえば五級と六級、影響力でいえば「その場かぎり」の、小さな神様
たちの相談を一手に引き受ける窓口がある。通称、小物案件係。
本部志望だった新米鑑定士・数井の信条は「証明できないものは無いのと同じ」。
自販機の下で三十年拾われなかった小銭の神。三か月ずっと「あと一人」で
買えない青年。消しても翌朝には戻ってくる、亡夫の留守番電話。三年で百十件
通報された、誰にも何もしていない男。
一件ずつ書類に載せていくうちに、その信条は、静かに敗れていく。
小さな神様と、それを数える役人の、一年間の業務記録。
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