概要
神を殺すたび、女は人であることをひとつずつ失う
神々はすでに死んでいる。
その死骸を喰った者は聖種となり、土地を領有して、年に一度、領民から一人を受け取る。
白灰の領の中央には、白い塔が立っている。
領民は「お灰さま」と呼ぶ。塔は毎年、膝ひとつぶん伸びる。それが今年もお受けくださった証だと、誰もが言う。何人ぶんの高さになったのかは、誰も数えていない。
妹を塔に差し出された娘・霙は、領に入ってきた余所者に縋る。
聖種の血を体内に飼う狩人、鴉。刀を持ち、痛みを感じず、報酬を受け取らない女。
「妹を、取り戻していただけませんか」
「塔には入る」
「……それは」
「それだけだ」
鴉は塔の高さを測りはじめる。四百二十歩の影と、自分の膝の高さから。
出た数は、領の言い伝えより百多かった。
その死骸を喰った者は聖種となり、土地を領有して、年に一度、領民から一人を受け取る。
白灰の領の中央には、白い塔が立っている。
領民は「お灰さま」と呼ぶ。塔は毎年、膝ひとつぶん伸びる。それが今年もお受けくださった証だと、誰もが言う。何人ぶんの高さになったのかは、誰も数えていない。
妹を塔に差し出された娘・霙は、領に入ってきた余所者に縋る。
聖種の血を体内に飼う狩人、鴉。刀を持ち、痛みを感じず、報酬を受け取らない女。
「妹を、取り戻していただけませんか」
「塔には入る」
「……それは」
「それだけだ」
鴉は塔の高さを測りはじめる。四百二十歩の影と、自分の膝の高さから。
出た数は、領の言い伝えより百多かった。
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