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概要
三度とも、最後まで立っていたのはわたしでした
喪服は、三着あります。
麻が一着、毛が一着、絹が一着。十六で嫁いだ家のが麻、二十二で嫁いだ家のが毛、二十八で嫁いだ家のが絹。着たのは、十八と、二十五と、三十一のときでした。
イルムガルト・フォークト、三十三。三度嫁いで、三度とも喪主になった女です。
三度目の検分が閉じた日、申し込み状が三通、いっぺんに届きました。織元の当主、山手の男爵、港の商会主。三人とも善良で、三人とも悪気がなく――そして三人とも、最初に訊いたのは帳簿のことでした。
求められているのは、わたしではありません。わたしが三つの家から持ち帰ってしまった、中身のほうだったのです。
「呪いでは、ございません。わたしは、三つの家の帳簿を全部知っているだけです」
断って帰る道、丘の墓所で、石工の棟梁が三つの墓碑
麻が一着、毛が一着、絹が一着。十六で嫁いだ家のが麻、二十二で嫁いだ家のが毛、二十八で嫁いだ家のが絹。着たのは、十八と、二十五と、三十一のときでした。
イルムガルト・フォークト、三十三。三度嫁いで、三度とも喪主になった女です。
三度目の検分が閉じた日、申し込み状が三通、いっぺんに届きました。織元の当主、山手の男爵、港の商会主。三人とも善良で、三人とも悪気がなく――そして三人とも、最初に訊いたのは帳簿のことでした。
求められているのは、わたしではありません。わたしが三つの家から持ち帰ってしまった、中身のほうだったのです。
「呪いでは、ございません。わたしは、三つの家の帳簿を全部知っているだけです」
断って帰る道、丘の墓所で、石工の棟梁が三つの墓碑
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