概要
じっちゃんが遺したのは、魚ではなく『心』を釣る竿だった――。
祖父、父、息子。二人の釣り人が、忘れられた名を岸へ帰す――三世代あやかし×釣りの現代ファンタジー。
前半の主人公は、祖父の最後の電話に出られなかった青年・千吉。遺されたのは、魚ではなく心を釣る和竿〈妖竿正宗〉だった。
夜の溜め池で餌のない針に掛かったのは、名を失い「きゅう」と鳴く小さな九尾の狐。偉そうで怖がりなその幼獣をキュウと呼んだ夜から、千吉は河童、猫又、濡女など、水辺に沈む怪異たちの声を聞くようになる。
怪異を科学で制御しようとする釣客・魚住との衝突。人間の汚した海が生んだ巨大怪異・赤エイとの対峙。そして物語は五十年後、千吉の息子・真吉へ託される。父の遺した竿を背負う真吉は、名を食う災害〈名喰らい〉と向き合う。
釣り上げるのは魚ではない。
誰かに呼ばれなくなった名前と、帰る場所だ。
前半の主人公は、祖父の最後の電話に出られなかった青年・千吉。遺されたのは、魚ではなく心を釣る和竿〈妖竿正宗〉だった。
夜の溜め池で餌のない針に掛かったのは、名を失い「きゅう」と鳴く小さな九尾の狐。偉そうで怖がりなその幼獣をキュウと呼んだ夜から、千吉は河童、猫又、濡女など、水辺に沈む怪異たちの声を聞くようになる。
怪異を科学で制御しようとする釣客・魚住との衝突。人間の汚した海が生んだ巨大怪異・赤エイとの対峙。そして物語は五十年後、千吉の息子・真吉へ託される。父の遺した竿を背負う真吉は、名を食う災害〈名喰らい〉と向き合う。
釣り上げるのは魚ではない。
誰かに呼ばれなくなった名前と、帰る場所だ。