概要
削るほどの才能もなかったから、しょうがなく魂を削った。
「記憶ほど信じられないものはない。ひとは簡単に記憶を捻じ曲げる。それは僕だってきみだって例外じゃない。例えば、昔は良かった、あの頃は良かった、なんていう記憶の美化はその最たるものじゃないか。僕はいつだって怯えている。誰かが僕の前に突然現れて、身に覚えのない罪を糾弾するんだ。それを嘘だと信じているのは僕だけで、それこそが真実じゃないのか、って」
彼との二十年近い間の中で、俺は何度か似たような言葉を聞かされた。だから彼は冗談ではなく、本当に怯えていたのだ。改めて思う。俺は彼のこの言動を奇矯な振る舞いの一種として捉えることはせず、もっと真剣に耳を傾けるべきではなかったのか、と。
※1 本作は主に、隣の芝生の青さが許せなくて燃やし尽くしたいと思ったことのあるひと、現在その感情を抱えているひと、の
彼との二十年近い間の中で、俺は何度か似たような言葉を聞かされた。だから彼は冗談ではなく、本当に怯えていたのだ。改めて思う。俺は彼のこの言動を奇矯な振る舞いの一種として捉えることはせず、もっと真剣に耳を傾けるべきではなかったのか、と。
※1 本作は主に、隣の芝生の青さが許せなくて燃やし尽くしたいと思ったことのあるひと、現在その感情を抱えているひと、の
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?