概要
壊れたものは直せます。ただし――もう二度と作られない、あなたのそれだけ
「直します。ただし、もう作られていないものだけ」
荷車にそんな木札を掲げ、町から町へ流れ歩く直し屋がいる。
名を、継(つぐ)。
廃番になった品、失われた技で作られた道具、もう二度と手に入らないもの――"世界に見放されたもの"だけを、その手は直すことができた。
壊れた品には持ち主の人生が宿っている。
亡き夫が毎晩聴いていた、とうに壊れたラジオ。
字の読めない妻へ、四十年書き続けた手紙のインク。
離縁して戻った女の、嫁入り鏡。
継は品を通して、人が手放せずにいる想いにそっと寄り添っていく。
相棒はもう新しくは生まれない最後の竈猫・オキ。
旅の途中で押しかけ弟子になった、まっすぐな少女・ちの。
そして継自身にも、たったひとつだけどうしても直せずにいる"もう作られないもの"があった。
もう戻
荷車にそんな木札を掲げ、町から町へ流れ歩く直し屋がいる。
名を、継(つぐ)。
廃番になった品、失われた技で作られた道具、もう二度と手に入らないもの――"世界に見放されたもの"だけを、その手は直すことができた。
壊れた品には持ち主の人生が宿っている。
亡き夫が毎晩聴いていた、とうに壊れたラジオ。
字の読めない妻へ、四十年書き続けた手紙のインク。
離縁して戻った女の、嫁入り鏡。
継は品を通して、人が手放せずにいる想いにそっと寄り添っていく。
相棒はもう新しくは生まれない最後の竈猫・オキ。
旅の途中で押しかけ弟子になった、まっすぐな少女・ちの。
そして継自身にも、たったひとつだけどうしても直せずにいる"もう作られないもの"があった。
もう戻
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