概要
石見銀山で働く若き男女の物語
弥平は鉱石を掘り出し、カヤは鉱石から銀を取り出す。
石見銀山(現:島根県)で働く若き男女の物語。
石見銀山(現:島根県)で働く若き男女の物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!なぜそこまでして銀を作るのか。
島根県大田市大森に鎮座する、日本最大級の銀山、石見銀山——皆さまも知ってのとおり、現在は閉山中のこの銀山は、Wikipediaさんによると戦国時代後期~江戸時代前期に最盛期を迎えていたそうです。あ、日本史の教科書に載ってる?載ってますよね、そりゃ。レビュー者が元理系選択なのでそこは大目に見てください。
さて話はそれましたが、本作は、現在は世界遺産でもある石見銀山で働いていた男女の物語。静かな、淡々とした作風で、きっとかつてあったであろう物語が綴られています。派手なシーンはいっさいなく、それがむしろこの物語にリアル味を与えている、と自分は感じました。もちろん実際に銀山で働いていた人々はもうこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!淡々とした筆致で綴る、世界遺産の知られざる歴史
石見銀山の歴史物語。ともに若い坑夫の男と灰吹きの女の生涯が、突き放した視点から淡々と語られる。一言で言えば凄惨である。坑夫は単に落盤や出水の危険に身を晒すだけでなく、岩盤の熱破壊に伴う有毒ガス、粉塵の吸引、酸欠、きつい労働などが命を徐々に削っていく。一方の灰吹きも同様である。銀鉱石の精錬は鉱石を破砕し焙焼するが、その際に硫化水素や砒素などの毒を吸引することは免れられない。高温の炉の光は目を灼き、視力を少しずつ奪っていく。だが彼らは他に生きる地もなく、父を奪った鉱山や命を縮める銀吹屋で働くしかない。自分たちの運命は百も承知。それでもここで生きると覚悟が決まっている。その生き様は淡々として凄ま…続きを読む