聞いたことがあるような気がするけど、意識して聞いたことがない氷の音。「ああ、そういえばピシピシいうよね」という程度の認識の微かな音。たかが氷。されど氷。理系の二人が氷について話す様子は、真面目なのかふざけてるのか…でも興味津々で目を輝かせているリケジョの姿が思い浮かびます。それに呆れながらも付き合ってあげる先輩もいいですね。今度じっくり氷の鳴き声を聞いてみようかな…と思わせる作品でした。
ディープフリーザーで作った氷をめぐる、先輩と後輩の小さな実験が、やがて心の温度を揺らしていく。研究室の空気、氷の音、まなざしの変化が丁寧に重なり、静かな夏の情緒と淡い感情が美しく立ち上がる作品。
氷の鳴き声という発想が、まずはないです。実験室で細胞を子よなく愛する桜井と僕の、実験談のような何か。氷を作る。見つめる。その過程で音が鳴る。笑顔になる。決して日常では味わえない、実験の時間は、二人だけの時間として流れる。そんな贅沢で固有的な体験を、味わってください。
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