概要
その技術は多くの命を飢餓から救い、多くの命を戦争で奪った。
十九世紀末。産業革命によって人口が急増したヨーロッパでは、農業生産を支える窒素肥料の不足が深刻な問題となりつつあった。植物の生育に不可欠な窒素は南米のチリ硝石に依存していたが、その資源には限りがあり、いずれ世界規模の食糧危機が訪れると一部の科学者は警告していた。もし大気の大部分を占める窒素を人工的に利用できれば、人類は無尽蔵の肥料を得ることができる。しかし当時の科学では、その方法はまだ確立されていなかった。
王立学会の化学者ホフマンは、この問題こそ次の時代の科学が解決すべき課題だと考え、かつての教え子であり化学企業PAS化工を率いる実業家パーキンに、大気中の窒素を固定する研究への投資を働きかけていた。産業界と科学界が結びついたこの計画は、人類の食糧問題を根本から解決する可能性を秘めた壮大
王立学会の化学者ホフマンは、この問題こそ次の時代の科学が解決すべき課題だと考え、かつての教え子であり化学企業PAS化工を率いる実業家パーキンに、大気中の窒素を固定する研究への投資を働きかけていた。産業界と科学界が結びついたこの計画は、人類の食糧問題を根本から解決する可能性を秘めた壮大
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!新たな技術が生み出すのは、食糧かそれとも武器なのか。
舞台は19世紀末のロンドン。
産業革命の功罪が町のあちこちでひしめくクリスマス・イヴに、大英王立研究所で一つの講和が行われていました。
産業革命の代名詞ともいうべき”蒸気機関”を使った実験を披露していたのは、研究に勤しむ大学生たち。万事うまくいっていたはずの講演は、彼らを想定外の出来事へと誘っていくことになります。
ヴィクトリア朝時代の英国が非常に丁寧に描かれており、海外ドラマを観ているような気分が味わえます。また、史実に基づいた部分も多くありますが、解りづらい部分はきちんと説明も入っているので読みやすいです。
主人公たちが研究、開発している技術はすばらしい可能性を秘めた宝箱のようなもの。…続きを読む