このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(299文字)
「月のない世界」という独創的な設定が読者の好奇心を強く掻き立てる、幻想的で哲学的な物語です。淡々とした語り口で紡がれる世界観の説明と、主人公の困惑や高揚が入り混じる心情描写が絶妙に噛み合っており、読み進めるほどに謎が深まる構成が魅力的です。目のない住人たちが空へ祈る場面の静かな不気味さや、水中ゴーグルという小道具の使い方も秀逸で、伏線の張り方が巧みです
月を軸に日常から不穏な異世界へと誘うSF系列の異世界物語ですね。独自の法則で動く平行世界への描写の没入感がとても高いと感じました。特に後半の目のない世界の不気味さと、そこから生まれる美しさがとても上手で、ここだけでも読む価値があると思いました。まさに哲学的な問いと緊張感溢れる冒険が交差している、とても中毒性の高い作品でした。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(333文字)
誰もいない家で夢ノートを書く三の寂しさが、「死のない世界はありますか」の一言で一気に胸へ刺さりました。逃げるように始めた旅なのに、最初に選んだのが目のない世界なのも危うい。目を持たない老婆が空を見上げる姿が、頭から離れません。
行間だったり話の流れがめちゃくちゃ読みやすい。興味が溢れて楽しみになる物語
旅するSFファンタジー。行間から馴染みでる設定や世界観に引き込まれました。更新楽しみにしています。
本作は、とにかく、読者を一気に引き込む洗練されたフックが素晴らしいです。まさに「第1話の掴み」は抜群です。冒頭から、読み手に対して、この先に待つ運命への強いワクワク感への期待値を高める筆力を感じました。それが、短編ながらも読者を一気に没入させる構造になっていると考えます。「月」の存在を知らない主人公が、目の見えない少女に導かれて世界に欠けたパーツを探しに行く。そんな世界感に感性を刺激された方はぜひ一度お読みください。
本作の特徴は、私たちが当たり前に知る「月」が存在しない平行世界を舞台に、世界の謎に迫るSFファンタジーである点だ。夢ノートを綴る平凡な少年のもとに、黒い外套をまとった盲目の謎の女性ヴァルが突如現れることで物語が動き出す。月があるという「完璧な世界」を目指す彼女の目的や、なぜ少年が選ばれたのかという謎が、静けさを漂わせる緻密な筆致と緊迫感のある会話劇でミステリアスに描かれている。謎めいた設定や緊迫感のある会話劇、独自の世界観を持つミステリアスな物語を好む読者におすすめできる。
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