書道部編 入魂

ましゅまろ・るぅむ

第1話

「先生、出来ました」

桜木先生は作品を見る。

「……

もう一枚見る。

「……」

さらにもう一枚見る。

ーーー

「天宮」

「はい」

「君はこれを何枚書いた?」

「五十枚です」

「全部同じなんだが?」


書道部員全員がドン引きしてると…


ーーー



「は、出禁? なんで?」


書道部顧問(国語担当)桜木先生


「自分の胸に手を当てて…」


「わかりません」

雪奈は、うなだれる


「貴方の文字には、魂がこもってない」

「一週間謹慎…です」


「…はい、すみません」


ルーモがプンスカしながら言う、

「最高傑作の『花鳥風月』、コレのどこが…」


「ルーモ…、それに雪奈も麻痺してきたか」

ネルモが作品を見る。

「見事だよ」

「本当に見事だ」

「花鳥風月」

「文字の大きさ誤差ゼロ」

「線幅誤差ゼロ」

「文字間隔誤差ゼロ」

「丸ゴシック体・プロッタモード」

「……つまりフォントだ」

ーーー

ルーモ、ぷるぷる震える。

「そんなことないもん」

「ルーモ、頑張ったもん」

「頑張った結果がプリンタなんだよ

ーーー

「天宮」

「はい」

「書道で一番大切なものは何だと思う?」

「字の綺麗さ…ですか?」

「違う」

「失敗だ」

雪奈とルーモ

「「へ?」」

ーーー

「迷い」

「焦り」

「勢い」

「喜び」

「怒り」

「書には全部出る」

「だから人の字は面白い」

(桜木先生、カッコイイ)


ーー

「だが君の字には」

作品を指差す。

「人生が一ミリも入っていない」

ーーー

そしてルーモは、

「……」

「これが、ルーモの魂なんだもん」


「そんなに…否定…しなくても、いいじゃないかぁ」


ーーー

「次は、3ミリ位、魂こめて、失敗してやるもん」

「違う、そうじゃない」

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