概要
どこまでが寒さで、どこからが別のもんなのか。
雪深い戦後の村に、タナカさんという大きな男がいる。復員兵で、もはや農家でもなく、足の壊疽から始まった切断が少しずつ彼を小さくしていく。進駐軍の払い下げジープはヌートリアに齧られ続け、同じように小さくなっている。
語り手である「私」はタナカさんの世話をしながら、彼が語らないことを知っている。大陸の黄色い川のことも、うろうろしていたちっこい子供のことも、鍛冶屋の親父のことも、用水路で見つかった革紐のことも。
タナカさんは戦地の話をしない。戦地以外の話も、ほとんどしない。するのは饅頭の話だ。
吹雪の夜、私は三十八式歩兵銃を持って庭に出る。
語り手である「私」はタナカさんの世話をしながら、彼が語らないことを知っている。大陸の黄色い川のことも、うろうろしていたちっこい子供のことも、鍛冶屋の親父のことも、用水路で見つかった革紐のことも。
タナカさんは戦地の話をしない。戦地以外の話も、ほとんどしない。するのは饅頭の話だ。
吹雪の夜、私は三十八式歩兵銃を持って庭に出る。
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