BLタグで避けていた。読んだら、そんなラベルはどうでもよくなった。西瓜を切る。しゃぼん玉を吹く。一輪車の練習を見守る。子供たちが絵を描く。二組の家族の、ただの休日が並んでいるだけ。告白もなければ、線を越える場面もない。なのに、視線の置き方だけで全部分かる。何を見ているか。何から目を逸らしたか。朝食の味がしなくなった、の一文で、この人が何を失うのか分かってしまう。家庭があって、子供がいて、壊すものが何もない。だからどこにも行けない。そういう話だった。
「好き」の一言もないのに、どうしてこんなに伝わってくるんだろう。光の蓮に対する観察の、解像度の高さに引き込まれます。繊細で鮮やかな情景描写の間で、ひっそりと何かが流れていく感じ。爽やかで、優しくて、少し切ない。読み終えたあと、この先の二人をつい想像してつい口元がほころんでしまう、そんな素敵な短編です。
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